「私たちの募金、どんなふうに役立つの?」トルコ・シリア地震被災地支援募金への疑問を解決
2月6日に起こったトルコ・シリア地震から、2週間以上が経とうとしている。20日にはトルコ南部ハタイ県でマグニチュード6.4の地震が発生し、さらに600人が負傷した。被災地では、助かった方の命をつなぐ食料・衛生品などの確保が必要とされている状況だ。地震大国・日本に生きる私たちにとっても、決して他人事ではない今回の大地震。私たちができる支援の形の一つとして、募金がある。地震直後からいち早く被災地で支援活動に尽力している、特定非営利活動法人「ADRA Japan」の広報・永井温子さんに、私たちの募金はどう役立つのか、お話を聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
私たちの募金の使われ方は?ひと家族5日間分の食料支援に約3,000円
――特定非営利活動法人「ADRA Japan(アドラ・ジャパン)」とはどのような団体ですか。 永井温子: 世界約120か国に支部を持つ国際NGOで、災害・紛争の被災地や途上国において支援活動に取り組んでいます。トルコ・シリア地震においては、発生直後から緊急対応を開始し、近くの拠点からすぐに16名のスタッフを現地へ派遣しました。状況を調査し、どんな支援が適切かを判断するためです。現在もなお多くのスタッフが現地で被災者サポートを続けており、その活動資金として、皆さんからの温かい支援をお願いしています。 ――私たちが募金をした場合、集まったお金はどのような使われ方をするのでしょうか? 永井温子: 支援活動には、いくつかフェーズがあります。災害が起こってすぐの約2~3週間は、とにかく“命をつなぐ支援”が必要です。なによりもまず救出活動。そして、命が助かった人たちの食事や、安全な居場所の確保や、衛生状態を守る支援のことですね。その段階を乗り越えた後は、“生活を取り戻していくための支援”に入っていきます。2月6日に発生した地震から、2週間以上が経とうとしているいま、私たちはまだまだ“命をつなぐ支援”のフェーズにあります。
今日、寒さに震えておなかを空かせながら、やっと避難所に来られたという方がいます。私たちはそんな方々のために、すぐに食べて気持ちを落ちつかせることができるような軽食を配布しています。シリアでは一般的な「シャワルマ」という料理で、日本でいうとサンドイッチのようなものですね。これが一つ約2.9ドルなので、日本円にすると約400円で用意ができます。 もちろんそれだけでは不十分で、被災地の皆さんは、明日の食べ物をどうしようかという切実な不安があります。5人家族の5日間分にあたる食料パッケージは、一つ約22ドル(約3,000円)で準備できます。お米1kg、それから小麦、缶詰や砂糖、トマトペーストや豆などの詰め合わせですね。5日間はあっという間に過ぎてしまいますから、少なくとも2週間分の確保を考えると、ひと家族につき約9,000円かかります。