楽天・星野監督が語るオリックスの強さの理由
オリックスを支える投打の戦力
ここ数年、Bクラスが定位置となっていたオリックスが、対日ハムに連敗したものの首位を走っている。14年ぶりとなる貯金「10」。投打の個人記録も上位を独占。4番のペーニャが、本塁打(10)、打点(23)の2冠、糸井が、363で打撃4位につけている。投手陣では、無傷の5連勝で、防御率が0.69の西を筆頭に、金子、ディクソン、そして、ルーキーの吉田と揃っていて、ブルペンも比嘉、馬原、佐藤達と充実している。4月には、佐藤は、プロ野球の月間ホールド記録「11」、抑えの平野が、パ記録に並ぶ月間セーブ「11」(大魔神、佐々木主浩の14がプロ野球記録)を樹立した。 つまり投打にスキがない。春の珍事か、それとも本物なのか……。 就任2年目となる森脇監督も、「相手がどこであっても、思い切ってぶつかっていけている。その状態を頼もしく思うし、結果も出ている。ゲームの流れを引き寄せ、全員が力を出し切ることをトータル的にできなければならないが、そういうことができ始めている。1試合、1試合、全力を尽くすのが、われわれの義務。最後まで続けていきたい」と、手ごたえを口にする機会も少なくない。ナインからも「勝って当たり前の雰囲気がある」という声が聞かれる。 楽天の星野監督は、こんな風にオリックスの好調さを分析している。「元々、力を持っているチームだったやないか。金子を中心にしたピッチャーはいいし、後ろも、馬原、佐藤、平野と安定している。打線は、去年までは、イデホ一人をマークしておけばいいというイメージが強かったが、今年はペーニャが代わりを務め、ヘルマン、糸井が絡むからな。ソフトバンクと1、2位を争う得点力を持っている」 オリックスが、優勝候補に挙げられたのは、2年前だ。4番に韓国の至宝、イデホと、バルディリスを補強して、ブルペンは、平野―岸田という球界ナンバーワンの安定感を誇る勝利の方程式を持っていた。だが、開幕してみるとチームは崩壊。当時の岡田監督は「本当に戦う気持ち、勝とうという意識を持っていなかった」と嘆き、常識を疑われるような解任の仕方をされた。そして、内部昇格で森脇コーチが、監督に就任。糸井の大トレードを仕掛けたが、5位。このオフには、イデホをソフトバンクに奪われ、バルディリスも横浜DeNAに移籍した。そのままでは、2年連続の最下位も確実という編成になるところだったが、「目には目を、歯には歯を」の作戦で、西武からヘルマン、ソフトバンクで浮いたペーニャをまるでトレードのように獲得したが、結果的に、この2人の存在が、打線を大きく変化させ、活性化させるとは、誰が想像したのだろうか。