ジェフ千葉”次世代超大型FW”の櫻川ソロモンが衝撃デビュー!
かつてサガン鳥栖やセレッソ大阪を率いた尹監督は[4-4-2]システムの最前線に、加入1年目の昨シーズンにチーム最多の17ゴールをあげた、ブラジル代表歴をもつ身長187cm体重83kgのクレーベを重用。コンビを組む相棒として、ジュビロ磐田から加入した元日本代表の川又堅碁を2月の開幕節で、レノファ山口から加入した山下敬大を再開後の3試合で指名してきた。 ゴールキーパーの新井章太を除いた全員を大胆にもターンオーバーさせたなかで、序列で言えばクレーベの代わりは水戸ホーリーホックとの第3節でダメ押しゴールを決めている川又 となる。しかし、メンバーを思案するなかで、指揮官は「練習からいい姿を見せてくれたので」と櫻川を大抜擢。同じく今シーズン初出場となる百戦錬磨の大ベテラン、38歳の佐藤寿人とのコンビで敵地のピッチへ送り出した。 「今日はやってやるぞ、という気持ちでピッチに入りました。前半のはじめの方は緊張感もあって、ちょっと身体が動かなかった部分もありましたけど、時間がたつたびに自分のプレーで勢いをつけて、自分でいい流れをもって来られたかな、と思っています」 川又との交代で後半31分にベンチへ下がるまでの76分間を、ポジティブな言葉で振り返った櫻川は、ナイジェリア人の父親と日本人の母親をもつ。生まれ育った千葉市内で小学生のときにサッカーをはじめ、中学進学とともにジェフの下部組織へ加入。恵まれたサイズを武器に、2024年のパリ五輪世代のエースストライカー候補として年代別の日本代表にも名前を連ねてきた。 尹監督の悩みは将来性を見込まれた櫻川が1月中旬から約2カ月間にわたって、ラ・リーガ1部セルタ・デ・ビーゴのU-19チームの練習に参加したこととも関係しているのだろう。シーズンを戦うためのベースを作るキャンプを経験できなかった上、新型コロナウイルスが蔓延していた関係で、帰国後も2週間の自宅待機を余儀なくされたことでコンディション面でも差が出ていたからだ。 それでもクレーベの代役ということで、ピッチ上で実践すべきプレーが整理されていたことが、櫻川にとって追い風になった。それはゴールに絡むことと、もうひとつはポストプレーとなる。 「基本的に自分が知っている選手たちの特長は伝えましたけど、あのセンターフォワードの子だけはちょっとわからなかったですね」