ジェフ千葉”次世代超大型FW”の櫻川ソロモンが衝撃デビュー!
バックヘッドで流し込もうと考えていたのか。右サイドから味方が上げたクロスに対して、ジェフユナイテッド千葉のFW櫻川ソロモンは宙を舞いながら、上半身をやや前傾させる姿勢を取った。 それでも勢いよく前に出てきてジャンプし、パンチングを試みたツエーゲン金沢のGK白井裕人が伸ばした両手よりも、櫻川の頭は高い位置にあった。敵地・石川県西部緑地公園陸上競技場に乗り込んだ15日の明治安田生命J2リーグ第5節。ジェフを2-0の快勝に導いた前半23分の先制点は、プロデビュー戦を先発で射止めた18歳の武器である脅威の身体能力から生まれた。 白井が先に触ったボールは競り合った櫻川の頭に当たり、ゴールライン付近に力なく弾んだ。次の瞬間、バランスを崩すことなく着地した櫻川がすぐに前を向き、右足を振り抜く体勢に入る。阻止しようと必死にダイブしてきた白井も間に合わない。強烈な弾道がゴールネットを撃ち抜いた。 「クロスに対して飛び込んでいくことが自分の持ち味だと思っているので、あの場面で(相手ゴール前へ)入っていけて、しっかりと競り合えて、さらにゴールを決めることができた。チームのみんなにも試合前からゴールを期待されていたので、しっかりと仕事ができて本当によかった」 試合後のオンライン会見で初々しい笑顔を浮かべた、櫻川の身長190cm体重86kgの体躯はピッチ上で、とりわけ相手ゴール前で圧倒的な存在感を放ち続けた。ジェフユナイテッド千葉U-18から昇格を果たし、念願のJリーガーになった今シーズン。再開後のリーグ戦3試合でベンチにすら入れなかったホープが待ち焦がれてきた初陣は、意外な形で訪れている。 ホームのフクダ電子アリーナで栃木SCに0-1で苦杯をなめた、11日の前節から中3日で迎えたツエーゲン戦。さらに中2日で18日の東京ヴェルディ戦へ臨む過密日程を考慮した、今シーズンからジェフの指揮を執る尹晶煥監督は栃木戦からフィールドプレーヤー全員を入れ替えた。 「正直、不安な部分もあったし、大きな冒険をしたと思っている。そのなかでも(櫻川)ソロモンという選手を先発で出す、という決断は簡単なものではなかった」