「変動金利型」ローンを抱えている人はヤバい…今までの考え方は通用しない!金利ある時代の家計の常識
国が「元本割れなし」を約束している個人向け国債には、「固定5年」「固定3年」の固定金利タイプと「変動10年」の変動金利タイプがある。松岡さんが勧めるのは10年満期の「変動10年」だ。 「変動10年は年0.05%の最低金利が保証されていて、半年ごとに適用利率が変わるため受取り利子のアップも期待できます。何年か後に進学を控えた子どもがいるという人には、狙い目じゃないでしょうか」 10年後、あるいはそれ以降を考えた場合、NISAなどの積み立て投資はどうなのだろう。 「資産を守ることを優先するなら、やはり変動10年が確実でしょうね。 50代以上で、老後の資金を少しでも増やしたいという人には、iDeCoを勧めます。ただし、iDeCoの投資信託ではなく定期預金のほうです。 iDeCoには運用益が非課税になることの他に、定期預金の掛け金が全額所得控除の対象になるというメリットがあります。年間を通して一定額の手数料がかかるけれども、たとえば、年収が700万円だとすると、毎月2万円の掛け金で年間約7万円の税金が軽減される。 口座管理手数料(最安は月171円)を差し引いても大きなメリットがあります。防衛策としてiDeCoの定期預金はありだと思います」 みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、住宅ローンなどの負債を抱える30代、40代の世帯にとっては、金利上昇による金融資産増加のプラス効果より、ローンの利払い負担が増加するマイナス影響のほうが大きいようだ。松岡さんが指摘するとおり、「金利のある世界」では守りの姿勢に徹するべきかもしれない。 「住宅ローンを借りている人は、ローンを組んだ段階でマックスのリスクを取ったも同然なんです。その瞬間から守りの人生に入ったと思って間違いないでしょう。投資で増やすことよりも、お金を減らさない方法を考える。そのほうが賢明だと思います」 松岡賢治 マネーライター、ファイナンシャルプランナー/証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。 取材・文:斉藤さゆり
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