米ソの雪融けから一転...大統領選で、民主党に勝利をもたらした「共和党のしくじり」
戦後の動向を振り返って
ここまで見てまいりましたように、戦後、「冷戦」「雪融け」「危機の時代」「緊張緩和」といった具合に「緊張」「緩和」「緊張」「緩和」を繰り返してきましたが、そのそれぞれの時代を担ってきた政権との関連を探ってみると、いつも緊張時代を牽引してきたのが「民主党」で、緩和時代を牽引してきたのが「共和党」であることに気づきます。 戦前までは「平時の共和党、戦時の民主党(※11)」という規則性がありましたが、"核の時代"となっておいそれと戦争ができなくなった戦後は、「戦時」ではなく"緊張"、「平時」ではなく"緩和"となって「緩和の共和党 、緊張の民主党」に移行していったと考えると、その変遷を理解しやすいでしょう。 さらに、戦後はここまでずっと「2期8年(民主党トルーマン)」「2期8年(共和党アイゼンハワー)」「2期8年(民主党ケネディ・ジョンソン)」ごとに政権交代が起こっていることを考えると、ここから「2期8年におよぶ共和党政権が緩和時代を牽引する」ことが予想されます。 [注釈] (※11)実際、「第一次世界大戦」のときも「第二次世界大戦」のときも民主党政権で、第一次世界大戦前も戦間期も平時はいつも共和党政権でした。 ------------------------------------------ 【歴史視点④】戦前までは「平時の共和党、戦時の民主党」、戦後からは「緩和の共和党、緊張の民主党」を原則とする。 ------------------------------------------
神野正史(元河合塾世界史講師)