中国メディアが注目「日本の警察は過激化した単独犯『ローンオフェンダー』を止められるのか」 首相官邸と自民党襲撃など相次ぐ犯行
10月19日の早朝、自民党本部に火炎瓶を投げ込み、首相官邸に車で突入しようとした臼田敦伸容疑者（49）が現行犯逮捕された。日本では「ローンオフェンダー」と呼ばれる過激化した単独犯による凶悪犯罪が後を絶たない。 【画像】中国メディアが注目「日本の警察は過激化した単独犯『ローンオフェンダー』を止められるのか」 首相官邸と自民党襲撃など相次ぐ犯行 こうした状況を受けて、警視庁は2025年に対策部門を新設する予定だ。だが、中国メディアはこれまでの日本のローンオフェンダー犯罪を振り返り、取り締まりにはさまざまな困難が伴うと指摘する。
テロが存在を証明する「唯一の方法」
日本では近年、組織に属さずに過激化した単独犯「ローンオフェンダー」による犯罪が相次いで起きている。 公正な刑事政策の実現を目指す組織、刑事司未来の石塚伸一によれば、ローンオフェンダーによる犯罪を阻止することはきわめて困難だという。「社会から孤立し、他者との接触をほとんど持たない人々が、犯罪に走っている」と石塚は言う。 日本のローンオフェンダーは、社会から拒絶されて追い詰められた怒りを、他者にぶつけようとすることが多い。 2022年7月、安倍晋三元首相が山上徹也被告（当時41）に銃撃された。山上の犯行の動機は、自分の母親を洗脳した世界平和統一家庭連合（旧統一教会）と安倍がつながっていたことだと言われている。この事件は、日本のローンオフェンダー犯罪の典型的なケースと言える。 2023年4月には、岸田文雄前首相が演説中に襲撃を受けた。岸田に自作の爆弾を投げつけた木村隆二被告 （当時24）はいまだ黙秘を続けているが、政治に対する不満が動機だと言われている。 ローンオフェンダーは、一般の市民を狙うこともある。2001年、大阪教育大附属池田小学校で起きた殺傷事件では、8人の児童が殺害され、15人が負傷した。犯行に及んだ宅間守（当時37）は過去にも犯罪歴があり、事件前から反社会的な行動をとっていた。2004年9月、宅間は死刑に処された。 2008年6月には、加藤智大（当時25）が歩行者であふれる交差点に、2トントラックで突っ込む秋葉原通り魔事件が発生した。加藤はトラックから降りた後、歩行者を無差別にナイフで襲った。3人がトラックにはねられて亡くなり、4人が刺し殺された。加藤も死刑判決を受け、2022年7月に刑が執行された。 石塚は日本のローンオフェンダーの特徴を次のように分析する。 「他の国・地域のローンオフェンダーは、政治や宗教、哲学的な信条を持っている場合が多い。彼らは、政府や社会に自分の主張を伝える手段として、テロを実行します。しかし日本のローンオフェンダーの多くは、犯罪によって自分を拒絶した社会に復讐できると考えています。テロこそが唯一、自分の存在を証明できる方法だと信じているのです」 なぜローンオフェンダー犯罪が日本で起こりやすいのかという疑問は、まだ解決できていないと石塚は付け加えた。
