テクノロジーの力でM&A情報の民主化を MANDA・森田洋輔社長 単独インタビュー
―MANDA設立のきっかけは
妻の会社の代表に就任して経営に携わるようになったこともあり、事業承継のニュースが目に留まる機会が多くなった。また、父親がどのような気持ちで経営に携わっていたかが思い起こされ、事業承継やM&Aが置かれている状況を詳しく調べるようになった。その過程で、仲介が主体の日本のM&Aには課題があると感じた。 M&Aの買い手、売り手の双方から、仲介会社の話を聞く機会があったが、紹介料が高く、サービス内容にも満足していないという声が多くあった。仲介会社の多くは、売り手と買い手の情報を集めているため、どちらかにしっかりと寄り添うことができず、本当に求められているアドバイスができていないと感じた。このため、「情報の民主化」につながるような事業計画書を策定し、ヤフー在職時の仲間にも声をかけ、2018年にMANDAを設立した。
―「MANDA」サービスの特徴は
M&A仲介業者は、各社がそれぞれのフォーマットで売り手の情報を発信している。弊社では公開されている売り案件の情報を収集し、1つのデータベースとして取り扱っている。売り案件を検索する場合、例えば、「関東」「建築」といったワードを入力するだけで、該当企業がヒットする。 各社のプラットフォームすべてを確認するのは大変だが、MANDAでは1回の検索で可能だ。これが無料で使えるのが特徴で、同業他社との差別化につながっている。
―旅行プランの横断検索サービスのようなイメージか。事業の収益化は
そうだ。マネタイズ(収益化)は、大きく3つある。1つ目は「MANDA」トップページのバナー広告。2つ目はM&Aプロセス支援ツール「クラウドM&Aディールマネージャー」の月額固定料。3つ目はM&Aアドバイザリー会社からの手数料だ。
―M&Aディールマネージャーとは
会社のM&Aに携わろうとしても、専門の知識を持ち合わせていないケースもある。そこで、相談受付のタイミング、打ち合わせ手順、契約書の雛型を用意した。これにアクセスし、順序立ててタスクを実行していけば、M&Aの実務が完了するサービスだ。