「災害は怖いけど、防災はおもろい」被災時でも炊き立ての白米を食べる方法とは? #知り続ける
被災時の食事と聞いて、菓子パン・おにぎり・乾パンなどを頭に思い浮かべる方は多いかもしれません。しかしほんの少しの工夫で、炊き立ての白米や、温かいおかずを食べることもできます。国内外様々な被災現場に出動し、自身も被災の経験を持つ、国際災害レスキューナースの辻直美(つじなおみ)さんは、被災時にこそ美味しい食事で心身の健康を保ってほしいと言います。家族や友人に教えてあげたくなる、キャンプ用品を使った気軽で楽しい“被災時の簡単調理法”についてお話を聞きました。(Yahoo!ニュースVoice)
昼は家族4人で1個の菓子パン 配給だけをあてにはできない
地震、防風、豪雨、豪雪……。このような災害が起こってしまった時、初日からすぐに水や食料、毛布や生活用品などが配給されるかというと、現実的には非常に難しいです。全体に行きわたる数が確保されていない状態では、自治体は物資を配給することはできません。また、このコロナ禍ですので、炊き出しのボランティアが県外から来ることも困難です。 ですので、被災状況が落ち着き、自治体の配給が入ってくるまでのおよそ2~4日間は、自分で自分のことを助ける“自助”が大事になってきます。
実際に西日本豪雨の時、岡山県の避難所で配給された食料を見てみましょう。 この写真は、避難所でいただいた一日分の配給です。 朝:おにぎり1個 昼:メロンパン1個 夜:コンビニ弁当1個 これは1人分ではなく、家族4人分の配給です。貴重な食料をいただけることは本当にありがたいのですが、もらえるものだけをあてにしていると、これだけの量しか食べられません。 でも、自分で何か用意しておけば、避難時でも豊かな食生活を送ることができますよね。被災時は食べないと元気になれません。自分で自分の心身の健康を守るよう、食事の備えをしておくことは非常に重要です。
食べながら備蓄する「ローリングストック」のすすめ
災害用に食料を備蓄すると聞くと、なんだか難しいことのように感じるかもしれませんが、実際はとても簡単です。今回は、食べながら備蓄する「ローリングストック」という方法について紹介します。 1)蓄える 普段から家の中に置いている食料を2~3個多めに買い、蓄えておきます。主食として、米・パスタ・インスタント麺を用意しておくのがおすすめです。 ※うどんやそばは、調理の工程で多くの水を使用するため、あまり被災時向けではありません。 2)食べる 賞味期限が切れそうな古いものから、日常的に食べていきます。 3)補充する 食べた分だけ買ってきて、補充しておきます。買ったものは収納スペースの奥側にしまい、賞味期限が早い物が手前側に来るようにしておくとわかりやすいです。 この1~3のサイクルをぐるぐる回していくことを、「ローリングストック」と言います。5~10年と長期間保存できる災害用非常食を用意することも素晴らしいですが、普通に売られているものを賞味期限内でうまく回していく形で備蓄することも可能ですので、ぜひ覚えておいてください。