学力が高い子の家庭に見られる8つの特徴とは? 調査からわかったことを専門家が解説
わが子には好きなことを見つけて伸ばしてほしい。その一方で、「ある程度の学力は身につけておいてほしい」と願う親は多いでしょう。親自身の学歴や収入が子どもの学力にどの程度影響するのかも気になるところです。学力の高い子の家庭では、親がどのような働きかけをしてきたのでしょうか? 長年、「全国学力・学習状況調査」などさまざまな調査を分析してきたお茶の水女子大学教授の浜野隆さんに詳しく聞きました。 ※前編〈体験が多いほうが子どもの「学力」や「自己肯定感」は上がる? 学力調査に詳しい専門家に聞く“研究結果”とは〉から続く 【表】学力の高い家庭がやっている生活習慣はこちら ■「学習環境」を整えれば子どもの学力が上がる? ――教育には学校以外の習い事や塾、体験などお金がつきものです。学力と親の学歴や経済力の関係性を指摘されることもありますが、実際はどうなのでしょうか? たしかに、親の収入や学歴が子どもの学力に影響を与えていることを示唆するデータがあります。文部科学省の全国学力・学習状況調査でも、「家庭所得と両親の学歴を合成した数値」が高い家庭の子どものほうが、学力調査での子どもの正答率が高くなっているのです。 しかし、だからといって収入の差が子どもの学力の差に直結するかというと、そうとは言い切れないのです。子どもの学力のばらつきのうち、親の収入や学歴などで説明できる割合は、日本では8~9%程度で、これは欧米諸国よりも少し低い値です。収入が同じでも子どもの学習環境を整えた家庭のほうが子どもの学力が高いということもわかっています。つまり、親の学歴や経済力は必ずしも「決定的な要因」ではないのです。また、親の収入や学歴が低い家庭のほうが、高い家庭よりも学力のばらつきが大きくなっていることがわかっています。これは、逆にいえば、親の経済力や学歴が低かったとしても、学力が高い子はいることを示しています。 このことは、「全国学力・学習状況調査」(文部科学省)の分析結果からも明らかになっています。 別表から、「学力A層(上位25%)」と「学力Ⅾ層(下位25%)」の差が大きいところほど、親の心がけや習慣が子どもの学力によい影響を与えていることがわかります。