12本のシリンダーが背中で爆裂! 1000馬力オーバーの新型ランボルギーニ「レヴエルト」を富士で試す【試乗レビュー】
アクセルペダルを床まで踏み倒す!
マイヘルメットを装着してシザースドアを上げると、従来モデルにあった幅広のサイドシルがドア側に移されたことと、少し高くなったルーフ形状のおかげで、シートへのアクセスがとてもやりやすくなったことに気がつく。 センターコンソールの例の赤いカバーをパチンと上げてスタートボタンを押すと、今までなら背中のエンジンに火が入る「ブオンッ」という爆音が聞こえるのだけれども、「CITTA」モードなのでそれがないという不思議な感覚を味わう。無音のモーター走行でピットロードを抜け、本コース上でステアリング左の赤いモードダイヤルをカチリと回して「STRADA」に入れると、初めて12気筒が目覚めるのだ。 1回目の走行は、前を走る方がスポーツ走行に慣れていないらしくペースが上がらないので、「SPORT」+「PERFORMANCE」のATモードで走り続けてみた。ストレート後半に設定したブレーキングポイントまででも最高速は250km/hに届かず、この程度ではレヴエルトは全く平然としたままだ。ちなみに「PERFORMANCE」や「RECHARGE」などのモード選択は、右側のEVダイヤルを回して選択する。 2回目は先導車に続く2台目だったので、「CORSA」モードに入れてパドルを駆使してのスポーツ走行を試した。シングルクラッチだったアヴェンタドールはシフトのショックとタイムラグがかなり大きかったのだが、デュアルクラッチとなったレヴエルトのシフトタイミングは電光石火。ただしガツンとくるシフトショックは大きめで、それがまたスーパースポーツカーを操っている感覚を助長してくる。 そして12本のシリンダーが爆発する轟音が背中から聞こえてくるドライバーズシートは居心地最高。サーキット後半に連続する複合コーナーでは、4本のタイヤががっちりと路面を掴んでいるフィールがステアリングにびしびし伝わってくる。それを抜けたストレートでは、4WDの明確なトラクションによって車速が一気に伸びる。 大きなアクセルペダルを床まで踏んで3速、4速、5速とシフトアップしていくと、バックミラーに映る後方の車があっという間に小さくなっていく。路面はわずかに濡れているが、ハイドロプレーニングを起こす気配は全くなし。ストレート前半部分で早くも7速265km/h。あと1速残っているのでどこまで車速が伸びるのか、と思ったところで先導車は加速をやめた。安全面と、後ろのクルマとの車間が空き過ぎたことによるものだ。