更年期世代が気になる老け見え 秋の乾燥で拍車も 予防や症状改善のための食養生とは
乾燥が気になる季節。肌の潤いが少なくなり、目元の小ジワやほうれい線が以前よりも目立ってきて、老けたかも……? と感じることがあるかもしれません。更年期の女性の元気をサポートする、国際中医薬膳師のかみむら佳子さんによる連載。今回は、乾燥の季節に気になる老け見えを和らげ、潤いをもたらす秋の食養生についてお届けします。 【画像】乾燥の季節に気になりがち…老け見えを和らげて潤いをもたらす食材とは ◇ ◇ ◇
中医学では季節ごとの不調を「邪気」の影響とする
古代中国から伝わる中医学では、私たちが健やかに過ごすためには自然や環境とのバランスが大切だと考えます。そのため、季節ごとの変化に体がうまく順応するための知恵が豊富です。現在も知恵は受け継がれ、暮らしに生かされています。 考え方の基本として、季節ごとに私たちの体へ良くない影響を及ぼす「邪気(じゃき)」の存在があります。春は「風邪(ふうじゃ)」、梅雨は「湿邪(しつじゃ)」、夏は「暑邪(しょじゃ)」、秋は「燥邪(そうじゃ)」、冬は「寒邪(かんじゃ)」です。 もちろん、季節の変わり目に体が上手に順応できれば、体調の変化なども起こりません。しかし、ストレスや疲れなどがある場合はそれぞれの季節に邪気の影響を受けてしまい、不調の原因になります。 季節ごとの邪気の特徴を知り、影響を受けないようにする養生を取り入れることで、自然や環境との調和を意識し、快適に過ごすことができるのです。
秋の養生は、乾燥が特徴の「燥邪」を意識
秋の邪気・燥邪は、乾燥が特徴です。中医学では、五臓の「肺」が乾燥に弱いと考えます。したがって、秋は肺と乾燥に対する養生が大切です。 五臓の肺は潤いを好み、体の水分である「津液」を全身に散布する役割です。しかし、秋の邪気の影響を受けると、乾燥によってその機能が弱るといわれています。関連している大腸、気管支や鼻、肌にも影響が出て、風邪でもないのに乾いた咳が出る、便秘ぎみ、髪にツヤがないなど、燥邪による潤い不足の不調が起こりやすいのです。 とくに更年期は、体に潤いをもたらす「血」、体内のすべての水分である津液が常に不足しやすい状態にあります。すでに体の中がカラカラに乾いた状態なのに、秋はさらに空気が乾燥するので、老け見えの象徴でもあるシワがより目立ってしまうのです。