更年期世代が気になる老け見え 秋の乾燥で拍車も 予防や症状改善のための食養生とは
秋の食養生 積極的に取り入れたい食材とは
そこで、更年期世代に積極的に取り入れてほしいのがクルミです。クルミは中国で最も古い薬物学書とされる「神農本草経」にも記されており、「元気を益し、不老長寿の食養生の食物」として知られています。また、漢方にも使われる食材で、薬膳では食材よりパワーがある「食薬」の位置づけです。 クルミの薬膳的効能は、五臓の肺に直接働きかけて乾燥を防ぎ、肌の潤いを保つことです。したがって、老け見えを和らげたり、呼吸器系のトラブルを鎮めたりすることが期待できます。また、脂質も多く含むことから腸内環境を整える作用も。秋の不調の代表である、肌の乾燥や空咳、便秘などに効果を発揮すると考えられています。 薬膳において、クルミは「体を温める」食材に分類されます。寒気から体を守り、免疫力を高めるので、体力の維持も期待できるでしょう。さらに、アンチエイジングに関わる五臓「腎」に働きかけて、足腰の冷えや衰え、膝や腰の重いだるさや痛み改善をサポートする食材といわれています。足腰の衰えが気になり始める更年期世代にとっては、日々の食卓に取り入れたい食材のひとつです。 クルミはそのまま食べるのはもちろん、秋の乾燥対策の食養生として、ハチミツやヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。クルミと同様に五臓の肺の潤いを保ち、乾燥から肌を守り、咳を鎮め、腸の乾燥による便秘に効果が期待されます。積極的に摂取して、体の中から潤って健やかに。秋の乾燥に負けない、老け見えしない肌を目指しましょう。
かみむら 佳子