ホンダ/HRCが見た角田裕毅レッドブルF1テスト:「新環境にすんなり馴染み、要求された作業を完璧にこなした」と折原GM
12月10日にヤス・マリーナ・サーキットで行われたポストシーズンテストには、レッドブルで仕事をしているホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)も参加していた。 【写真】2024年F1アブダビテスト 角田裕毅(レッドブルRB20) 折原は2023年からトラックサイドゼネラルマネージャーとして現場に赴任し、RB側のガレージで角田裕毅とともに仕事を始めた。レッドブルでHRCのチーフエンジニアを務めていた湊谷圭祐がHRC Sakuraに帰任するのに伴い、折原は今年の夏休み明け初戦のオランダGPからレッドブルに移った。 「私も8月にRBからレッドブルに移ってきたのですが、チームによって人も仕事の進め方も違うので、チームを移った当初は人を覚え、新しいやり方に慣れるまでに時間がかかります」 そう折原は語る。しかし今回、角田の仕事ぶりにはそんなことは感じなかったと言う。 「私はRBでも今年の夏まで一緒に仕事していましたが、裕毅はRBのときと変わらないか、むしろ落ち着いて仕事していたように見えました。もちろん、テストだからというのも関係していると思いますが、まるでずっとこのチームでいるかのように馴染んでいました。本当に順応性が高いんだと思います」 テストで使用したマシンはアブダビGPでマックス・フェルスタッペンが走らせたマシン。エンジンに関しては、レースで使用したパワーユニットはレース後、メンテナンスが必要で、テストまで中1日しかなかったため、テストにはシーズン中に使用したほかの中古のパワーユニットに載せ替えた。 「エンジンのモードはタイヤのデータ取りがメインなので、金曜日のフリー走行で使用するいわゆる『フライデー・モード』で1日中走っていました。デプロイに関してはロングラン用とショートラン用の2種類を用意して、状況に合わせて使い分けていました」 ただし、エンジンモードは金曜日モードなので、アブダビGPでフェルスタッペンとセルジオ・ペレスが使用したモード(土日用の本番モード)とは異なると折原は語った。 ベストタイムの1分24秒689の17番手という結果を、折原GMはどう見ているのか。 「セッティング変更に対するフィードバックを聞くのが目的だったので、いわゆる燃料を軽くして新品タイヤでタイムを狙いに行くパフォーマンスランはやっていません。したがって、そのタイムでドライバーを評価してもまったく意味はありません。テストで重要なのは、データ取りとフィードバック。今回のテストで裕毅はノートラブルでした。大きなミスはもちろん、小さなミスもなく、完璧な一日だったと思います」 RBで一緒に仕事していた折原GMは、レッドブルで再会した角田の成長ぶりを驚き、喜んでいるように思えた。 [オートスポーツweb 2024年12月15日]