山田哲人が7年、中村奨吾が4年… 長期契約は球団にも選手にもハイリスクか
長期契約は球団フロントの期待の表れだ。だが期待にそぐわない結果が続けば、「不良債権」と化してしまう。 【写真】NPBで初めて7年の長期契約を結んだのはこの人 ヤクルトの山田哲人は7年契約の4年目となった今年、開幕戦でスライディングの際に下半身を負傷するなどコンディションに苦しんだ。110試合出場で打率.226、14本塁打、39打点、1盗塁。前人未到のトリプルスリーを3度達成した2010年代後半と比べると寂しい数字に終わった。 推定年俸5億円プラス出来高払いで7年契約を結んだのは20年オフ。同年に国内FA権を取得し、パ・リーグ球団が獲得に向けて調査を行っていた。「球団の顔」である山田を他球団に流出させるわけにはいかない。ヤクルトが大型契約を提示したのは誠意の表れだった。だが、同年は故障の影響で94試合出場し、打率.254、12本塁打、52打点、8盗塁。前年の35本塁打、98打点、33盗塁から大幅に減少した。 「今振り返れば、陰りが見え始めていました。スピードが生命線の選手ですがコンディションに不安を抱えて走れなくなっている。7年契約が始まった21年以降の4年間で計19盗塁と輝きを失ってしまいました。契約はあと3年間残っていますが、プレースタイルを変えるのかを含めて野球人生の岐路に立たされています」(民放テレビ関係者) 22年オフに4年総額10億円(推定)の大型契約を結んだロッテの中村奨吾も、思い描いた成績を残せていない。昨年は137試合出場でリーグワーストの打率.220と打撃の状態が上がらず、20併殺打はリーグ最多だった。首脳陣の意向で体に掛かる負担を減らし、三塁にコンバートした今季も120試合出場で打率.234、4本塁打、27打点。来年は再び二塁手として勝負することを決断した。スポーツ紙デスクは厳しい見方を示す。 「他球団ならレギュラーで出場する選手ではないでしょう。打率3割をクリアしたシーズンが一度もないですし、選球眼にも課題が残る。二塁の守備能力は高いですが、4年契約は長いかなと。今年の三塁コンバートも結果的に失敗に終わってしまった。来年は二塁に戻りますが、定位置を保証された立場ではありません。首脳陣の信頼は厚い選手なので、意地を見せてほしいですね」