批判の声強まる森保ジャパンは敵地のオマーン戦で汚名返上ができるのか?
敵地ジッダでサウジアラビアに敗れ、1勝2敗と後がなくなった10月シリーズの初戦をへて、森保監督は[4-2-3-1]で固定してきたシステムを、ほぼぶっつけ本番だった[4-3-3]にスイッチ。日本は苦戦の末にオーストラリアから2-1の勝利をもぎ取った。 手繰り寄せた流れを大事にしたかったのだろう。ヨーロッパ組を乗せたチャーター便がトラブルに見舞われ、ベトナム入りが大幅に遅れる想定外の事態が発生しても、森保監督はオーストラリア戦のシステムを継続し、その上で先発陣をほとんど代えなかった。 コンディションを確認した上で、狭い機内に実に24時間も滞在した吉田をはじめとする主力を、ベトナム戦のピッチへ送り出した理由を指揮官はこう語っている。 「全員で練習できたのが前日の公式練習の1時間のみという状況で選手を代えれば、ミーティングを含めても選手たちの絵を合わせる作業は難しいと感じたので」 リスクを排除し、継続性を重視した選手起用は、連勝している状況もあってそのままオマーン戦にも引き継がれるだろう。ただ、例外となるポジションが2つある。 オーストラリア戦で酒井宏樹(31・浦和レッズ)が、ベトナム戦では山根視来(27・川崎フロンターレ)が務めた右サイドバックは、主軸を担ってきた酒井がおそらく戻ってくる。離日前に右足を痛めていた酒井について森保監督はこう言及した。 「ベトナム戦は厳しいという報告をメディカルから受けていた。本人とも話すなかで、次のオマーン戦ではプレーできる方向で別メニュー調整している」 もうひとつは累積警告で出場停止となる、守田が務めてきたインサイドハーフの一角。ベトナム戦の後半終了間際に守田を原口元気(30・ウニオン・ベルリン)に代えた森保監督は、オマーン戦をにらんだ試運転の意図はなかったと明言している。 「守田が(オーストラリア戦に続く)イエローカードをもらっていたからではなく、勝ち切るために原口の守備力と前への推進力を出してもらうために起用した」 ならば、田中碧(23・フォルトゥナ・デュッセルドルフ)とインサイドハーフを組むのは誰なのか。答えはベトナム戦でも途中出場した柴崎岳(29・レガネス)となる。 オマーンとの初戦から3試合連続でダブルボランチに名を連ねた柴崎は、サウジアラビア戦で決勝点に直結する痛恨のパスミスを犯した。直後からシステムが変わったなかで先発から外れた柴崎へ、森保監督は機会を見つけては声をかけている。 「森保さんは優しい人なので、いろいろと気を使って話しかけてくれた」 指揮官の気遣いに感謝した柴崎は、ハビエル・アギーレ監督時代に[4-3-3]のインサイドハーフを担った経験を思い出しながら、汚名返上のチャンスを待っている。 「僕ももともと攻撃的で、アギーレさんのときの経験もあってあのポジションには慣れている。戦い方の幅が広がるし、僕としてはこのシステムをプラスにとらえている」