三笘が初選出…なぜW杯アジア最終予選11月シリーズに挑む森保JにJ王者の川崎勢が急増したのか?
敵地での連戦となるカタールワールドカップ・アジア最終予選の11月シリーズ、ベトナム代表戦(11日・ハノイ)、オマーン代表戦(日本時間17日未明・マスカット)に臨む日本代表メンバー27人が4日、日本サッカー協会(JFA)から発表された。 4試合を終えて2勝2敗と出遅れた日本は、6ヵ国が争うグループBでサウジアラビア、オーストラリア、オマーンに次ぐ4位。カタール行きの切符を無条件で獲得できる2位以内へ向けて土俵際の戦いが続くなかで、待望論が高まっていた三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)と旗手怜央(川崎フロンターレ)が初選出された。 大卒2年目の東京五輪代表コンビに加えて、10月のオーストラリア戦で勝利に貢献した守田英正(サンタ・クララ)、田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が引き続き招集され、さらに谷口彰悟と山根視来(ともに川崎)が復帰。前日3日に達成されたJ1リーグ連覇に関わった、王者の現所属および出身選手が一気に6人へ急増した背景を探った。
これまでと異なるポジションの発表方法
オンライン会見に先駆けてJFAからリリースされた、アジア最終予選の11月シリーズに臨む日本代表のメンバーリストにちょっとした“異変”が生じていた。 従来はGK・DF・MF・FWと4つのポジションに分けられていた選手たちが、3人が名を連ねるGKと10人のDFはそのままで、残るMFとFWの計14人が『MF/FW』とひとくくりにされていた。森保一監督が意図を説明する。 「特に攻撃的MFとFWは、どちらで起用するかが決まっていないことが多いので」 長く[4-2-3-1]システムで戦ってきた森保監督はサウジアラビアに敗れ、1勝2敗と崖っぷちに追い込まれた先月のオーストラリア戦で、ぶっつけ本番となる[4-3-3]システムを採用。2-1で勝利して首の皮一枚で可能性を繋ぎ止めた。 両方の試合に先発した南野拓実(リバプール)を例に挙げれば、サウジアラビア戦で中盤の左サイドを、オーストラリア戦では3トップの左ウイングを担っている。 「オーストラリア戦で内容的にチーム状態が上がってきていて、結果も伴ったという部分で流れは大事にしていきたい。最終的には現地ベトナムに集合した後のトレーニングでコンディションを見極めながら、戦い方の形を選択していきたい」 サウジアラビア戦前に一時検討した[3-4-3]を含めて、今後もシステムを使い分けると指揮官は明かした。特に[4-2-3-1]の両サイドハーフと[4-3-3]の両ウイングは担い手が重複するため、今回からあえて『MF/FW』と表記された。 その『MF/FW』に新天地ベルギーで躍動する三笘がついに招集された。