「妻がアジフライを作ってくれないのは、自分のことを愛してない証拠」…40代夫婦に訪れる”夫婦関係の落とし穴”とは
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第24回 『「持って帰るね」と「もらうね」の違いで激怒した夫…お互いの“地雷”に気づけない夫婦に潜むある原因』より続く
アジフライが食べたい
価値観の違いは食事の好みにもあらわれます。 好きなメニューを自宅で食べられなければ、それはストレスになってしまうでしょう。 実際、私のところに相談に来た中で、アジフライが食べたいのに、妻がつくってくれないので不倫してしまった、という男性もいました。 相談者の男性は40代。5歳年下で専業主婦の妻は、小学生の息子のことにしか興味がないそうです。
アジフライは愛の証?
食卓に並ぶのは、息子の好物のハンバーグやオムライスばかり。夫の好物はアジフライなのに、揚げ物は片付けが面倒だと言って、家ではつくってくれないのだそうです。 夫はそんな妻に不満を感じていました。ちょうど同じ職場に少し年上の女性がいて、仕事の相談がてら妻の愚痴をこぼしているうちに、不倫関係になってしまったとか。 夫は、妻がアジフライをつくってくれないのは、もう自分のことを愛していない証拠のように感じていたのです。 先に触れたように、40代はこういう問題が起きやすく、夫婦関係にとって危険な時期です。20代で結婚したならそろそろ結婚20年です。 30代ならまだラブラブな雰囲気も残っていたりしますが、40を過ぎると子育ての共同作業は一段落して、だいたいの妻の関心は子どもの進路のことばかりで、夫婦関係はどうしても冷え込んできます。 一方、40代になると夫の(妻もかもしれませんが)仕事の責任が増え、出世したり給料が増えてくるもの。だから「仕事では評価されているのに、なぜ家庭では逆なのか……」と承認欲求をこじらせて悩んでしまう人も多いのです。 『「焼肉の焼き方」で喧嘩をしてしまう…「ささいなこと」でイライラが溜まりがちな夫婦に必要なこと』へ続く
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)