フランス人がマルシェで野菜を買う時に「値段よりも重視すること」
美食大国として知られるフランスにあって、「食通の街」として名高いリヨン。そのリヨンでフランス人の夫と3人の子どもたちと暮らすロッコさんに、食にうるさいフランスの人たちがマルシェで野菜を買う時に重視していることを聞きました。 【写真】イギリス人が感激した"日本人の服の畳み方" ※本稿は『主役はいつも"私自身"フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)より一部抜粋・編集したものです。
日本とフランスの共通点は、食文化の豊かさ
フランスに住むメリットはいくつもありますが、なんといっても食事がおいしいことでしょう。外食だけでなく、国産の食材が充実していることも、私にとっては嬉しいです。 ある日、フランス人の友人が、日本出張から帰って来て、目を輝かせながら話しはじめました。観光名所の美しさはもちろんのこと、日本食には特に感動したと言うのです。確かに、日本とフランスのどちらも食にはこだわりがあり、食文化に誇りを持っています。 さらに、伝統行事やそれにまつわる食事を大切にしていることにも気づきます。日本はお正月のおせち料理、フランスはクリスマスの豪華な料理など、食は離れて暮らす家族を繋ぐ架け橋だともいえますね。 フランスでも日本でも、食文化を楽しむには、その料理の背景までも大切にしたいものです。
マルシェのディスプレイはアート。生産者はアーティスト
フランスに来たら、ぜひ注目していただきたいこと。それは、お店やマルシェのディスプレイです! 商品の陳列、野菜の積み上げ、ケーキの飾り方……どれも日本にはないような発想を感じることができるからです。 ある週末のマルシェでは、こんな言葉に出会いました。 「ディスプレイは、自己表現の練習だね」。 八百屋のお兄さんの言葉なのですが、アーティストのような言葉が素敵でした。また、彼が誇らしげに話す陳列は、山のように積み上げられたミカン、赤と黄色を交互に並べた格子模様のパプリカ、収穫したままの状態で鮮度を伝えるアーティチョーク……さながらアート作品のような光景なのです。 マルシェは、新鮮な野菜を購入するだけでなく、お店それぞれの世界観を感じることができる場所でもあるのです。