なぜ阪神はまた打てずにサヨナラ負けしたのか…横浜DeNAの投手陣に喫した13三振から見えてきた理由とは?
阪神が横浜DeNA戦(20日・横浜スタジアム)に延長の末、0-1でサヨナラ負けして3連敗を喫した。阪神、小川一平(24)と横浜DeNA、東克樹(26)の両先発が踏ん張る素晴らしい投手戦となったが、延長10回に4番手の浜地真澄(23)が、この回、先頭のネフタリ・ソト(33)にライトのポール際に今季3号となるサヨナラ本塁打を打たれた。阪神は今季3度目のサヨナラ負けで5度目の完封負け。ビジターで11試合戦い、いまだ勝ち星がなく借金は「15」に膨らんだ。
まさかの悪球打ち「正直、どこに飛んだかわからなかった」
見送ればボールだった。ソトは確かに振り遅れた。 「積極的にいこうと思っていた。真っ直ぐを狙っていたんで反応できたんだ」 延長10回の先頭打者として、そう準備していたソトにとって浜地が高めに投じた146キロのストレートは、悪球ではなかったのかもしれない。打球はライトのポール際に向かって舞い上がった。ソトは、一瞬、「正直、どこに飛んだかわからなかった」という。 だが、スタンドの大歓声が、打球がサヨナラ本塁打であることを教えてくれた。2019年9月19日の広島戦以来、自身3本目となるサヨナラアーチ。横浜DeNAベンチは空っぽになり、ソトは一塁ベースを回ったところでチューイングガムをプーと膨らませた。 矢野監督は、ウォーターシャワーを浴び、もみくちゃにされたソトのホームインだけを確認すると、すぐにベンチ裏へ下がった。 スポーツ各紙の報道によると、代表取材に対して矢野監督は、打たれた浜地を「仕方がない」とかばったという。 カウント1-2と追い込んでから梅野は、中腰になって高めの吊り球を要求していた。ソトへの吊り球にしては、中途半端。回の先頭でソトの一発だけを警戒しなければならない局面であることを考えれば「仕方がない」では済まされない詰めを間違った失投である。 おそらく、このコメントは起用した自分の責任だという指揮官の心理の裏返しかもしれない。 先発の小川は横浜DeNA打線を7回2安打無失点に抑える力投を見せた。0-0のまま矢野監督は8回のマウンドに新勝利の方程式でセットアッパーとして起用している湯浅を送る。湯浅が無失点でつなぐと9回はストッパーの岩崎ではなく、本来なら7回を任せるアルカンタラ。二死から佐野に二塁打を許すサヨナラのピンチで、新型コロナ感染による離脱から復帰した4番の牧と勝負して投手ゴロに打ち取ると、10回に浜地を送り込んだ。中継ぎとして5試合連続で無失点を続けていたが、ブルペンの序列で言えば4番手である。