木村花さん出演「テラハ」打ち切りはわずか4行のサイト発表…なぜフジは制作中止理由と経緯、再発防止へ検証の必要性を記者会見を開き明らかにしなかったのか?
制作会社のプロデューサーは、クリエイティブ業界に特化した求人サイトCINRA.JOBのインタビュー(2018年11月28日掲載)に答え、「『テラスハウス』も『セブンルール』も、フォーマットを上手く整えられた番組だったかなとは思っていて。企画そのものが、わりとフォーマットになっていて、撮る人(スタッフ)と出る人(出演者)が決まれば、あとは化学反応を起こしながら自走していってくれる。だから私は、全体を見て、その子(番組)らしい方向性に導いていく係」「そこに私だけじゃなくスタッフの個性も活きてくるのが醍醐味です。『テラスハウス』は編集に演出家の個性がすごく出ているし、『セブンルール』も選曲に演出家の個性が出ている」と発言している。 文中に出ている「セブンルール」もフジテレビとイースト・エンタテイメントのタッグで制作されている新感覚のドキュメント番組だが、「テラスハウス」の仕掛人と言われる人物が、ハッキリと「編集に演出家の個性が出ている」と断言しているのだ。 その個性が何であったのか。視聴者をひきつけるために番組のインパクトを強めドラマ性をより高めるために「悪役」のコンストラストを鮮明にしたのか。そこには、十分に予知できたはずのSNS上の誹謗中傷も”やむなし”の悪意が存在したのか。 それらは第三者が演出家らをヒアリングして検証すべき事象だろう。そして、この番組の制作費の一部を出し、最終的なGOサインを出しているフジテレビには管理責任が発生する。無防備だったSNS対策も然りだ。その責任の有無も、第三者に判断してもらう必要がある。特に視聴率至上主義ともいえる番組作りが横行してしまった背景、フジテレビの土壌や風土、SNS対策の現状などにもメスを入れる必要がある。 テレビ業界にはBPOと呼ばれる自主規制の組織がある。やらせや人権侵害などを取り締まるためNHK、民放連などが設立した任意団体「放送倫理・番組向上機構」で、外部の第三者で構成されている放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会などが、視聴者などから訴えのあった番組を検証、審議、審理して、局に対し「意見」「勧告」「見解」などの指導を行う自主規制組織だ。視聴者の申し立てや、局の報告によって審議、審理されるが、今回の社会的影響の大きさを考えると、BPO任せではなく、フジテレビが、独自に第三者委員会を立ち上げて検証、総括すべき事案ではないだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)