“建築界のノーベル賞”を知っている?世界に誇る建築家・山本理顕の代表作5選|プリツカー賞 9人目の日本人受賞者が手掛ける建築をご紹介
5. GAZEBO(1986)/神奈川県
最後にご紹介するのは山本さんの自邸「gazebo」。屋上に張られたテントとステンレスメッシュの外観が特徴的な雑居ビルで、山本さんはこの建物の3階の一部と4階で暮らしています。 中庭を挟んでダイニングが配置された間取りで、家族間で程よい距離感を保てるつくりになっています。 山本さんは幼い頃からこの土地に住み続けていて、近隣の雑居ビルの屋上階居住者もまた同じく地元の人たち。 植木鉢の水やりなどで路地越しに挨拶を交わすなど、幹線道路が通る前にここで育まれていたような地域社会の関係を、地上10mの高さで緩やかに育むことも意識してつくられた建築です。 所在地:神奈川県横浜市神奈川区泉町15-5
山本さんの提唱する「地域社会圏」については、自身の著作である『地域社会圏主義|増補改訂版』(TWO VIRGINS)や『脱住宅「小さな経済圏」を設計する』(平凡社)などで詳しく述べられています。 「1住宅=1家族」の前提のもと、プライバシーやセキュリティ一辺倒で語られがちな住宅のあり方について、きっと新たな示唆を与えてくれるはず。ぜひ関心のある方は手にとってみてはいかがでしょうか。