なぜ“フラッグフットボール”が子供の習い事として人気なのか? マネジメントを学び、人として成長する競技の魅力
運動能力がある選手だけが活躍するわけじゃない
当然、野球には野球の良さがあり、サッカーにはサッカーの良さがある。その中でフラッグフットの良さの一つは、「自分なりの活躍の仕方が必ずある」ところだ。それはアメフトも同じで、時代が求める多様性に向いている。 「本当に運動能力がある選手だけが活躍するわけじゃない。それぞれ役割があって、それを全うしてプレーが成立するのは、すごくいいスポーツだと思います。ランプレーなら、ブロックしている選手がいるからプレーが成立する。そのブロックする人間は、足が速くなくても、相手をブロックしていれば大丈夫。だから、褒めるポイントが結構多いです」(今井) 「FFFCの中学生の卒業イベントが毎年あるんですよね。そこで『僕はアメフトをやらずにフラッグを今後もやっていきます』という子どもがいた。アメフトはコンタクトスポーツなので向き不向きがある。それだと難しい人がフラッグをやって、競技レベルが上がれば、どちらも盛り上がっていい相乗効果が生まれるんじゃないかなと思っています」(神) 例えば、フラッグフットの選手の保護者から「運動会でもハイタッチを積極的にして盛り上げていた。そんな姿を見ると、やっぱりフラッグをやっていてよかったです」といった声も聞くらしい。 当然、他のスポーツでも鍛えられるものではあるが、それぞれの個性を考慮したうえで、どう戦うか考える。誰かを置いてきぼりにせず、全員が輝くための戦術を考える。その、会社経営でも最重要な視点は、将来的に社会人となっても役立つスキルであるのは間違いない。 今、ユーチューバーなり、インフルエンサーなり、個人の特徴をどれだけ出せるかがキーになる時代。とにかく目立てば、疎まれようがいずれは正義。その風潮は否定できない。だが、ちょっと待とうじゃないか。チームで戦い、全員で勝ち取った勝利は、何物にも代えがたいことを多くの人たちは知っている。 「アメフトに関して言えば、トップチームだと60~70名ぐらい選手がいます。高校とか小学生年代で、人数が少なくても、やはり統制がとれていないとチームは機能しなくなる。それぞれが役割を果たしたうえで、プラスアルファを出さないと勝てない、それが染みついていく。その意味でも、楽しくプレーするためには厳しさの要素も必要で、礼儀の部分をフラッグから僕は教えてもらいました。それは振り返ると、すごく大切なことだったと思います」(神) 各々の個性をまとめてチームを作りあげる、本質的なマネジメントを学べるフラッグフット。 「3対3とか遊びの中で作戦を考えさせても、低学年の子たちがプレーに絡めるように、高学年の子がリードしたり、すごいなと思いますね。フラッグフットではその思考力が身につく。その意味でいうと、特に子ども年代の他スポーツにはない特徴だなと思います」(今井) いかがだろうか、やってみたく/やらせてみたく、ならないですか? <了>
インタビュー・構成=守本和宏