なぜ“フラッグフットボール”が子供の習い事として人気なのか? マネジメントを学び、人として成長する競技の魅力
自分一人じゃ何もできない、本当の意味でのチームスポーツ
1990年代後半、日本に伝わったとされるフラッグフット。アメリカンフットボールを起源とするこのスポーツは、タックルの代わりに腰につけたフラッグを取ることで1回ずつの攻撃が終了。決められた攻撃回数が終わると、攻守が入れ替わるシステムだ。各選手の役割分担が大事で、プレーごとに度々作戦会議(ハドル)を行うのも特徴の一つ。作戦を成功に導くため、コミュニケーションをとりながら最適解を見つけていく。そんなスポーツだ。 このフラッグフットを、いち早く育成年代のチームとして発足させた企業が富士通である。 自社のアメリカンフットボール部「富士通フロンティアーズ」の下部組織的な意味合いも込め、1999年にチーム『FFFC』を発足。その前年に女子チーム『マロンティアーズ』を編成した流れもあり、その後FFFCは全国優勝を遂げるほどの力をつけた。 「当時は人数も少なく、学年も分かれておらず、1チームでやっていました。それが徐々にメンバーも増え、全国優勝する世代も出るようになった。今ではチーム卒業後、大人になって富士通フロンティアーズの一員になる選手も出てきています」 そう話すのは、自身も富士通フロンティアーズで16年間ディフェンスバックとして活躍。現在は、FFFCでコーチを務める今井善教だ。チームは現在4カテゴリーに分かれ、キッズ(小学生男女)、ジュニア(中学生男女)、レディース(中学生以上女子)、シニア(高校生以上男子)で活動。小学生男子チームを管轄する今井は、その競技特性は「協調性の育成」だと語る。 「アメリカンフットボールのように戦略を立てて、いわゆる“PDCAを回す”観点で言うと、親御さんたちも人間形成に良いスポーツと、評価している人は多いです。フラッグフットは本当の意味でのチームスポーツで、自分一人じゃ何もできない。チームで同じ方向を向いてプレーしないと勝てない。そのコミュニケーションの中、育成年代が得るものは大きいと思います」