来年3月ベラトールGPが堀口恭司のリベンジ舞台?!“裏拳”一発で衝撃の逆転“失神”KO負けも米メディアは圧巻ファイトを評価
4ラウンド。グラウンドの攻防で、また優位に立った堀口に「ブーイング」が飛ぶと、堀口は、わざわざスタンディングの攻防に切り替えたのである。「ファンを魅せる、楽しませる」というプロ意識と共に、ぺティスのダメージは蓄積しており、おそらく堀口は、消耗を肌で感じ取っていたのだ。KO決着の手応えがあったのかもしれない。 試合前には、「ぺティスは強い」とリスペクトを口にしており、決して油断したわけではない。UFCのトップファイターだったアンソニーを兄に持ち、そのDNAは疑いなく、UFCからベラトールに移籍して3戦目にタイトルを奪ったぺティスが初防衛戦となる堀口戦に相当の覚悟を持って臨んでくることはわかっていた。 だが、ぺティスが得意とする「近い距離」に死角があった。セコンドが序盤から「無理するな」「近くにいくな」と注意を呼び掛け続けた距離である。 3分過ぎ。堀口の左フックが外されて、組みの展開になった。ぺティスは、そこから手をほどくようにして押し込み、ほんの少しだけ距離を作り、至近距離から右のハイキックを仕掛けた。堀口は反応して、クビを下げて、それを外したが、キックした勢いのままスピンしたぺティスが左のバックハンドブローを無防備だった堀口の顎に命中させた。堀口は崩れるようにしてダウン、ケージ内に大の字になった。ぺティスは追撃の一打を寸前で止め、ゲージによじのぼり喜びを爆発させた。涙と鼻血が同時に流れていた。 「私は4ラウンドの間は打ちのめされていた。なんてことだ、この戦いは負ける、何か華々しいことをしなければという感じだった。ちょうどいい時にそれ(バックハンドブロー)が出てくれた」 負けを覚悟していたぺティスは一発逆転にかけていた。ぺティスのセコンドには元K-1戦士でRIZINに参戦している平本蓮(23、THE PAN DEMONIUM/ルーファスポーツ)がついていた。ラウンド間にアドバイスを送っており、なんらかのヒントを与えたのかもしれないが、一発で100がゼロになるのが、格闘技の怖さである。 海外メディアは敗れた堀口が3ラウンドまで展開させた世界最高峰のファイトを絶賛した。