来年2月開催?代替試合?「オミクロン株」余波で延期となった村田対ゴロフキン、井岡対アンカハスの2大ビッグマッチの行方は
年末に予定されていたボクシングの2つのビッグマッチが延期となった。政府が決めた「オミクロン株」の水際対策として外国人の新規入国を禁止した影響を受けて、対戦相手が入国できなくなり、帝拳は3日、12月29日にさいたまスーパーアリーナで開催される予定だったWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35、帝拳)対“世界ミドル級最強”のIBF世界同級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(39、カザフスタン)の“世紀のビッグマッチ”の延期を発表。続けて大晦日に大田区総合体育館で予定されていた4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、志成)対IBF世界同級王者、ジェルウィン・アンカハス(29、フィリピン)の統一戦の中止も、同試合を主催するトラロックエンターテインメントから発表された。 リリースには、いずれも「オミクロン株によるコロナ陽性者が国内でも確認されたことを踏まえ感染対策強化を優先させた」と書かれていたが、スポーツ庁から「公益性」を理由にした外国人入国の特例措置を認めないことが、3日の午前になって、ようやく通達されたため、両陣営共に素早い対応を行ったものだ。 気になるのは、ビッグマッチの“今後”と村田、井岡のメンタルだ。 帝拳は、HPに「来春に延期」とタイトルを打ち、「今後は関係各位と協議の上、感染状況等を見極めながら改めて開催日時を検討いたします」と説明した。 すでに水面下で、ゴロフキンサイドと最悪のケースを踏まえて協議が進められていたが、ゴロフキンサイドは、日本政府が下した入国禁止措置に理解を示して、「中止」ではなく「延期」で合意。 ゴロフキンは、ツイッターで「日本での試合が延期されたことに私は深く失望しています。しかし、国民の健康と安全は常に優先されないといけません。できるだけ早く、(村田)諒太との試合のリングに戻ることを楽しみにしています」と書き込んだ。 今回の試合は、国内では、Amazonプライムビデオでサブスクリプションの形で有料配信される予定だったが、記者会見が行われた以降のユーザーの反応が良かったため、スケジュールが変更になっても引き続き有料配信を行う方針を固め、海外向けに配信する「DAZN」も同じく、村田―ゴロフキン戦が延期になっても配信する方向で、ビッグマッチの延期に障害はない。問題は「オミクロン株」の今後の感染拡大の状況。帝拳のHPには万が一に備えて「来春」と書かれていたが、不安視されている第六波に襲われることなく、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着けば、早ければ2月にも開催は可能だという。