論理的ではなく「非連続的な思考」がもたらす成果 リスクもコストもほぼゼロで成果を出す方法
「論理的な思考」だけでは他と差別化した突出した成果を出すことはできない。では、どうしたらいいのか。ビジネスパーソンの中にはこうした悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。 今もっとも注目を集めるZ世代の経営者の一人、株式会社水星代表・ホテルプロデューサーの龍崎翔子氏は「クリエイティブジャンプ」こそ、そうした多くのビジネスパーソンの悩みを解決できると言います。 そんな龍崎氏に「クリエイティブジャンプ」とは一体何か、また今や日本を代表するグローバル企業となった任天堂の「クリエイティブジャンプ」について話を聞いた。 【写真】ハイチ移民の子として生まれたアメリカ任天堂の元社長兼COOのレジー・フィサメィが35年のキャリアで学んだ教訓と哲学とは
■任天堂の「クリエイティブジャンプ」 任天堂は、私が物心ついた頃から、常にクリエイティブの最前線にいる企業です。『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』を読んで、改めてそれが不断の努力によって築き上げられてきた地位なのだと感じました。 製品1つとっても、どういうコミュニケーションを通じて、どういうマーケットに届けるのか、どういうプロモーションを通じて、手に取られるように値決めをし、販売していくのかという所まで、チーム一丸となって努力されてきたことが理解でき、刺激を受けました。
私は今まで、任天堂のプロダクトに対して、日本の消費者に刺さるように開発されているイメージを抱いていました。「脳トレ」シリーズや「Wii」などは、親子3世代がお茶の間で楽しめますし、「Nintendo Switch」は、放課後、友達の家に集まって対戦するという、日本の家庭や社会の距離感の上に成り立っているように見えます。でも改めて考えてみれば、それが、国内のみならずグローバルでも通用するプロダクトに昇華されていることに驚かされる思いです。
本書によれば、著者のレジー・フィサメィさんが任天堂に入ったのは、任天堂にとっては、冬の時代でした。 彼は、グローバルマーケティングの担当として入りましたが、手始めにプロモーションや価格、販売戦略などを見直すのではなく、任天堂の復活への起爆剤は、記者や販売店の方が心の中に抱いている任天堂への愛や子供心に再び火をつけることだと見抜き、観客が大いに盛り上がる新商品発表会を企画するところから仕事を始めたのだそうです。