論理的ではなく「非連続的な思考」がもたらす成果 リスクもコストもほぼゼロで成果を出す方法
その結果、ありがたいことに、多くの方に指名買いでホテルを予約していただけるようになったのですが、こういったことが、自分にとってのクリエイティブジャンプを実感した出来事ですね。 ■ちょっと突拍子もないことを提案する ステークホルダーの多いプロジェクトに携わる際に突拍子もないことを提案するというのは、緊張することもあります。 石川県金沢市で運営しているホテル「香林居」は、エントランスに精油の蒸溜設備があります。通常、ホテルに大型の蒸溜機が置いてあることはまずありません。
プロジェクトが進んでから、このホテルの唯一無二の価値を生み出すために「館内に蒸溜機を置きたい」と言い出したのでステークホルダーを驚かせてしまいましたが、オンリーワンのホテルを作るために必要なことなのだとご理解いただき、関係者の方々にいろいろと調整していただき設置することができました。 こういった、一見、異質にも思えるものとマッシュアップすることで地域の空気感を再現していくという私たちの持ち味をご理解いただいた上で、ご一緒いただける方が多いですし、パートナーに恵まれていると思っています。
ホテルのプロダクトに関しては、常に「伝わり方」を意識しています。私自身が世の中に対して伝えられる声の大きさには、限りがあります。ですから、自分の代わりに伝えてくださる方が、どれだけいるかが大事だと考えているのです。 具体的には、第三者が再発信しやすい内容を意識して、「編集しやすい素材」を1次発信するという感覚で、情報設計しています。 特に、「どのようにPRするか」から逆算して商品開発をしていくことを大事にしているので、企画の初期段階で、まずプレスリリースを作ってしまうことが多いですね。
どういうプレスリリースを作れば、それが記事になるのだろうか、お客様がSNSで発信して下さるのだろうか――そういう「思わず人に伝えたくなる」ということを意識しています。 ■手垢のついていない言葉を使う 発信する際には、手垢のついてない言葉を使ってパンチラインを生み出すということを大事にしています。 ものすごく斬新な発想を生み出すというのは、誰もができることではありません。でも、自分の感覚や考えを、世の中にまだ表現されていない言葉を通じて伝えるということなら、できると思える方もいるのではないでしょうか。