子どもの「非認知能力」を高めるほめ方・叱り方 自制心、協調性を伸ばす働きかけ
たとえば、「大切にしたい考え方」は、いわゆる価値観や信念に該当するものです。 みなさんにもきっとなんらかの「大切にしたい考え方」がありますよね。 そして、この大切にしたい考え方(価値観・信念)は、生まれながらに持ち合わせているものではなく、育っていく(経験していく)中で自分以外のだれかから影響を受けて身につけていくものです。 「あきらめずに努力するべし」「何事も挑戦あるのみ」「友達を大切にしよう」などの価値観・信念を持つことで、私たちはさまざまな局面でこれらを大事にしようとする意識が働き始めます。 そのため、ここは意識のベースになっているといってもよいでしょう。だからこそ、みなさんには、ぜひお子さんへ「大切にしたい考え方」を伝えていっていただきたいと思います。 この意識のベースとなる価値観・信念のところを踏まえると、今度は今の自分と、価値観・信念から思い描く自分とを比べることができます。 つまり、自分のことを客観的に観察して、今の自分に足りないところ(足りているところ)は何か、これから何を具体的に意識すればよいのかをはっきりさせられるようになるのです。
たとえば、大らかで寛容な自分になりたいのに、今の自分はすぐにイライラしてキレやすかったら、いったい何を意識したらよいでしょうか? 忍耐力などの自分と向き合う力であったり、キレる日を少なくしていくことであったり、キレそうになったときに深呼吸をしたりを意識できるようになれるとよいですね。 このように、自分に必要な意識は、自分のことを客観的に観察でき始めているお子さんであれば自分で気づけるかもしれませんし、まだ自分だけでは難しいお子さんには、こちらから教えてあげる必要があります。 また、自分のことを客観的に観察できるようになるためには、振り返り(日記など)が効果的なのでおすすめします。 こうして、自分に必要な意識を持つことができれば、その意識を行動へ移していけるようになります。 たとえば、みんなの前であいさつが上手にできなかった子どもが、もっと気持ちのいいあいさつをしようと意識することで、あいさつを変えられるわけです。 ここで大切な点は、その行動の変化を周りにいる人たちが受け止めていることです。 だから、「最近、あの子は成長したよね」と評価されるようになります。