子どもの「非認知能力」を高めるほめ方・叱り方 自制心、協調性を伸ばす働きかけ
忍耐力や自制心、協調性など、数値で表せない能力を「非認知能力」と呼びます。この「非認知能力」と切っても切り離せないのが、本人が生まれ持った気質です。 注目が集まる非認知能力 じつは注意点も… 子どもの力を伸ばすために親が知っておきたいことを、中山芳一先生の著書『マンガでやさしくわかる非認知能力の伸ばし方』よりご紹介します。 ※本稿は、中山芳一著『マンガでやさしくわかる非認知能力の伸ばし方』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです。
非認知能力の育て方について
次の図をご覧ください。 たくさんの非認知能力を3つに分類した「自分と向き合う力」「自分を高める力」「他者とつながる力」をさまざまな場面で意識して発揮できるようになれたらよいのですが、私たちはそれ以前に「気質」というものを持ち合わせて生まれてきています。 この気質は、一人ひとりが持ち合わせている(先天的な)内面の特徴といわれるものです。そのため、どうしても小学校低学年ぐらいまでは、この気質に影響を受けまくった非認知能力になってしまいます。 たとえば、人に対して外向的な気質だと他者とつながる力が発揮されやすくなりますよね。このように、気質にともなった非認知能力の発揮のし方をする子ども時代を経て、小学校中学年以降になってくると、今度は自分の意識によって気質とは異なった非認知能力の発揮のし方ができるようになり始めます。 そうなってくると、仮に人に対して内向的な気質であったとしても、その気質に引っ張られるだけでなく、自分の意識によって他者とつながる力を伸ばそうとすることができるようになるわけです。 ということで、この先天的な気質がピラミッドの底辺に位置する「生まれながらに持っているもの」になります。 言い換えれば、それぞれの「タイプ」みたいなものですよね。ここは、先天的であるために変えることが難しいので、お子さんがどんなタイプかを知っておいていただければよいと思います。 そして、このタイプを無理に変えていく必要はないため、リフレーミングなどをしながらできるだけこのタイプを肯定してあげてくださいね(もちろん、周囲の迷惑になるような行動については、注意してストップをかける必要がありますが……)。 この底辺から上になると、先天的なものではなく、後天的なものになります。つまり、お子さんの育ちの中で変えられるものです。