自民総裁選 所見発表演説会(全文4完)人口減少は国家の危機
自民党総裁選への立候補を届け出た河野太郎行革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏は17日午後、所見発表演説会でそれぞれの政策を訴えた。 【動画】河野・岸田・高市・野田4氏が所見発表演説会(2021年9月17日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【自民党総裁選】河野・岸田・高市・野田4氏が所見発表演説会(2021年9月17日)」に対応しております。 ◇ ◇
自民党の多様性を示さなくてはいけない
野田:私、野田聖子は自民党総裁選に立候補いたしました。そこでまずはこの場をお借りして、私を支えてくれた仲間たち、そして志を同じくする人々や政策に賛同してくださった方たちに感謝を申し上げたいと思います。かねてから総裁選に挑戦したいということを公言してきましたが、これまでなかなか出馬することができませんでした。しかし、四度目の今回は皆さんのおかげでスタートラインに立つことができました。本当にありがとうございます。 まず、私が今回どうしても出馬をしようと考えた、ある大きな理由があります。それは自民党の多様性を示さなくてはいけないということです。残念ながら、これまでの候補者の方たちの政策を見ていると、やや足りていないなと感じている視点があります。例えば人口減少、のちにご説明いたしますけれども、これは日本の経済だけではなく、安全保障にも関わる極めて重大なテーマです。そして日本の未来を担う子供、女性、さらには高齢者や障害者という社会的弱者、介護政策や貧困の格差などが挙げられます。つまり小さき者や弱き者をはじめ、人の暮らしが見えません。主役にならない人々へ向けた政策が十分ではないといってもいいでしょう。
反省と検証が必要ではないか
ならば、自民党としては誰かがこれをやらなくてはなりません。自民党の強さとは多様性だからです。自民党がこれまで多くの国民に支持されてきたのは、さまざまな政治信条、さまざまな政策を持つ多様な人材が、正面から意見をぶつけ合わせ、時には激しく対立するほど真剣に論争してきたからです。異なる価値観を受け入れるという日本の伝統的な寛容さ、多様性を体現する保守政党、それが自民党です。 そこで早速、自民党の多様性を示すような問題提起をさせていただきます。これまでの候補者の方たちの主張の中で出ていない、わが身を振り返るということをぜひ議員、党員の皆さんに投げ掛けたいと思います。つまり、反省と検証が必要ではないかということです。 今回、自民党を改革するということが大きく叫ばれています。もちろん、何か問題があるのならば、そこを変えていかなければいけないのは当然ですが、国民からは党内で、国民の支持がないのはあいつのせいだと誰かに責任を押し付け合っているようにも見えます。 また、選挙の顔を選ぶ権力闘争という厳しい評価も聞こえてきています。党改革を叫ぶ前に、自民党の力でもっと世の中を良くしてほしいと願う国民感覚とずれが生じているのです。だからこそ私は、まずは反省と検証が必要だと思います。誰かのせいにするのではなく、まずは自分たちが至らない点があるのではないかと検証する。与党としてしっかりと国民の期待に応えていたのか、そして今、信頼が低下してしまっているのはなぜなのかということを議員1人1人がしっかりと向き合う、それをやってから初めて新しいことに手を付ける。改革に着手する意味があるのではないでしょうか。 では、具体的にどうやってわが身を振り返るのかというと、例えば国民に約束をしておいて実現できていない政策をしっかりと洗い出し、なぜできていないかを考えます。例えば議員定数の大幅削減です。これは実現できていません。私はより国民のほうを向いた政治にしていくためにぜひともこれを進めるべきだと考えています。 人口減少によって国民も減っている中で議員の数も調整していくのは、当然といえば当然のことです。しかし、今日に至るまで議員定数削減は実現できていません。なぜなのか、どこに問題があるのかということも候補者の皆さんと一緒にしっかり考えて、党員の皆さん、ひいては国民の皆さんに分かりやすく、誰にも理解できるような言葉で説明していかなくてはいけないのではありませんか。