湯船に入らないとストレスに弱くなる?半身浴でも、脳や内臓の動きは活発に。効果を十分に得るためのポイント紹介
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。 * * * * * * * ◆湯船につかる効能 体の汚れを落とすだけなら、さっとシャワーを浴びるだけでもいいかもしれません。 しかし、湯船に入らない生活を続けると、体がリラックスする機会を失い、知らないうちにストレスに弱くなってしまいます。 「お風呂は面倒」という人でも、せめて半身浴をしてはどうでしょう。 半身浴は、みぞおちあたりまでお湯につかる入浴法です。肩までお湯にとっぷりつかる全身浴が一般的ですが、それとは違い、体内の温度がゆっくり上昇して血流がよくなり、全身をリラックスさせられます。 リラックスした気分を感じるのは、副交感神経が働き始めて脳の緊張がほぐれている証拠。 さらに、血流がよくなると全身に新鮮な血液が循環し、脳だけではなく内臓の働きも活発になり、その結果、気力が充実してストレスに負けない体をつくることができるのです。 半身浴は、ストレスに負けず元気で暮らし続けるために、シニアにうってつけの入浴法だと思います。 ただし、効果を十分に得るには、いくつかのポイントがあります。
◆効果を得るためのポイント まず、お湯の温度はぬるめの38~ 40 度。全身浴とは違い、入った瞬間に「ちょっとぬるい」と感じる程度が適温です。温度を高くするとリラックス効果が薄れてしまいます。 次に、お湯の量は湯船につかったときに、みぞおちが浸るくらいの高さまで。 そして、入浴時間は最低でも20分。じっとしているのが苦手な人は、雑誌や本などを持ちこむといいでしょう。 最後に、入浴しながら手足を伸ばすこと。 上半身や顔から汗が噴き出したら、上手に半身浴ができている証拠です。
保坂隆