「障害児のママは神様に選ばれた」周囲の優しくも、残酷な言葉が受け入れられなかった女性の葛藤描く作品に反響
インスタグラムで「障害児の親に捧げる創作漫画」を描かれている千尋あささん(@chihiro_asa_)。自身も知的障害を伴う自閉症のお子さんを育てているママですが、その創作漫画が「とても考えさせられる」「涙涙で読みました」と話題になりました。 【漫画】話題を呼んだ『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』(全21枚)
■やさしい、ありがたい、それはわかっている。だけど… 漫画の主人公のあやこさんは、自閉スペクトラム症・中度知的障害のお子さんをもつお母さん。お子さんの年齢は4歳です。4歳というと、あどけなさが少しずつ抜け、安心してコミュニケーションをとれるようになってくる子も増えてくる時期。周囲の大人も、「こんにちは」「バイバイ」などといった簡単なやりとりでなく、「お名前は?」「何歳?」などといった簡単なやりとりを求めてくることがあるかもしれません。あやこさんのお子さんも同じように、バス停で知らないご婦人から、「何歳」と聞かれます。
言葉が達者な子であればここで年齢をしっかりと答えることもあるでしょうし、まだ人見知りの抜けきっていない子であれば恥ずかしそうにうつむいていることもあるのかもしれません。しかし、あやこさんのお子さんは、質問されたことよりも自分の世界に夢中。返事を待ちながら少し戸惑っているご婦人へ、子どもに発達障害があることをあわてて説明します。 わが子に向けられた興味に応えられないことが心苦しくなってしたはずの説明。相手も理解して、「よく聞く」「そんな子もいるわよ」「私のまわりにもいる」などとたくさんのフォローの言葉をかけてくれます。
おそらくこの人はいい人。自分を励まそうとしてくれているとわかっていながらも、よく言われるお決まりの言葉「神様が育てられるママを選んだのよ」をあやこさんは重たく感じてしまうのでした。 その後も、バス停で子どもがぐずりだしてしまったあやこさん。「ママが抱っこしてあげれば落ち着くから」「子どもはみんなママが大好きなんだから、抱っこが嫌いなわけないじゃない」と周囲から一般論を押しつけられてしまいます。もちろん誰もあやこさんを傷つけようとして言っているわけではありません。理解を示そう、励まそうと向けてくれた言葉です。しかし、それでもいたたまれなさを感じ、一度は乗ったバスを親子で降りてしまいます。