男子日本代表、開催国フランスに延長まで持ち込んだが勝利ならず【パリ五輪/バスケ】
4Q試合終了直前、同点にされて延長の末に惜敗
7月30日、第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)男子バスケットボール競技。男子日本代表(FIBAランク26位)は、東京2020大会銀メダリストで開催国のフランス(9位)と対戦。いいディフェンスから攻撃につなぎ、5点差で後半を迎えると勝負どころの4Qで八村塁が2度目のアンスポーツマンライクファウルをコールされて退場に。それでも河村勇輝がステップアップしてリードを奪ったが、試合終了直前に同点に追いつかれてオーバータイムへ。最後まで粘ったものの、90-94で惜敗。歴史的勝利は果たせなかった。 【写真】日本×フランスフォトギャラリーをチェック 大会初戦、W杯王者のドイツ(3位)と戦った日本は前半を8点差で終えると、ハーフコート・オフェンスを強いられる展開が多くなった後半も集中力を保ってプレー。最後まで食らいついたものの、79-97で敗戦。トム・ホーバスHCは本日のフランス戦に向けて「チームの目標であるベスト8を達成すべくチャレンジして戦いたいと思います」と語った。先発は河村勇輝、比江島慎、八村塁、渡邊雄太、ジョシュ・ホーキンソンの5人に。初戦のブラジル戦を78-66で勝利しているフランスはニコラス・バトゥーム、アンドリュー・アルビシー、アイザイア・コルディニアー、エバン・フォーニエ、ルディ・ゴベア、ビクター・ウェンバンヤマが先発した。 日本は試合開始からいいディフェンスを披露するが、224cmウェンバンヤマにアウトサイドで得点を許すと、ゴベアにインサイドで、バトゥームにミドルで決められる。それでも日本は八村、渡邊、河村のスリーが当たって付いていく。さらに日本は河村が果敢ドライブから得点し、ディフェンスを引き付けてキックアウトといういい形を作る。その後、八村がペリメターで、ホーキンソンが3Pシュートで追加点を奪っていったが、6本の3Pシュートを決められたこともあって、25-32で1Qを終えた。 ベンチメンバーでスタートした2Q、2021年の対戦時に15得点を奪っている比江島がまずフリースローで得点する。残り8分、日本はダブルチームを仕掛けてターンオーバーを引き出すと比江島のアシストで渡邉飛勇が得点。3点差とした。その後、残り6分を切ったところ、直前のマティアス・レソーのシュートがショットクロック後じゃないかということでホーバスHCがチャレンジ。レフェリーは一度、ノーカウントというジェスチャーをしたが得点が認められる。嫌な判定となったが、集中力を保ってディフェンスしていくと、八村、ホーキンソン、富樫勇樹が連続して3Pシュートを決めて追いつくと、八村のミドルで42-40と逆転。すぐに5点差を付けられるが、渡邊のフリースローで追加点。44-49としてハーフタイムを迎えた。日本は前半八村が14得点、河村が10得点を記録。2Pシュート45%(9/20)、3Pシュート47%(7/15)と高い確率でシュートを決め、リバウンドでも17本と4本相手を上回っている。 3Q開始直後、日本は吉井裕鷹のターンアラウンド、ホーキンソンのスリーで追いつくと、河村の3Pシュートで52-51と逆転に成功。続いて攻守を見せるとホーキンソンが4本目のスリーを決めて55-51に。すぐにフランスも追いかけてくるが、日本は八村、ホーキンソンの得点、さらに河村のスリーで追加点。それでも終盤にリードを奪われ、64-69で3Qを終えた。 運命の10分間、日本は八村の連続3Pシュートで70-72と2点差に。しかし、8分半、ゴベアに対して行った八村のファウルがアンスポーツマンライクファウルと判定。2Qに続いてのコールとなって退場となってしまう。それでも集中力を保ってプレーする日本は、残り5分45秒、河村が右ウイングから3Pシュート。これがシューティングファウルを誘って4ポイントプレーとなって1点差に。さらにドライブから決めて残り5分で78-77と逆転に成功する。 残り3分を切って1点リードする日本は、河村がシュートを放っていくが決まらない。フランスはゴール下にいたゴベアにボールを託したが、ここで渡邊が見事なブロック。すると残り1分強、河村のアシストでホーキンソンがフックシュート。80-77としたが、残り47秒フォーニエに3Pシュートを決められて同点にされる。それでもファウルをもらって河村がフリースローを成功。残り47秒で2点リードを奪うと、見事なディフェンスを披露。4点差にしたが、残り10秒、シュトラゼルに3Pシュートを決められて河村がファウル。このフリースローを決められて84-84と同点に。ここでタイムアウトを取った日本は、河村がスリーを放ったがリングに当たって4Q終了に。 5分間のオーバータイム、フランスはまずウェンバンヤマが3Pプレー。追いかけたい日本はゴールにアタックするが、不運なコールもあって得点につながらない。日本はさらにウェンバンヤマに連続得点を許してリードを広げられてしまう。終了間際、比江島の3Pシュートで2点差としたものの、わずかに及ばず。フランス撃破は果たせなかった。日本の予選グループ最終戦は8月2日(金)18時より、ブラジル(12位)と対戦する。 日本は河村が29得点(3P6/15)でチームトップ。八村が24得点、ホーキンソンが16得点8リバウンドをマーク。チームとしては3Pシュート成功率43% (16/37)とシュートが決まった。 試合後コメント ■トム・ホーバスヘッドコーチ 悔しいです。勝てるチャンスはあったと感じています。塁の退場もあったし4ポイントプレーもありました。それでも2万7千人のアウェーの中で日本のバスケットを見せる事は出来たと思います。選手たちは疲れている中でも本当に良く戦いました。私たちの目標はまだ終わっていません。ブラジル戦では勝利を目指します。 ■#5 河村勇輝 個人の力でチームを勝たせることが出来なかったのでまだまだ成長しなければと感じています。次のブラジル戦ではこのフランス戦での経験を糧にして必ずベスト8(決勝トーナメント進出)という目標を達成したいと思います。 ■#24 ジョシュ・ホーキンソン 厳しい試合をみんなで戦い抜きましたが、勝てなかったのは残念です。次のブラジル戦に向けて、次こそ良い結果を出せるようにすぐに切り替えていきたいです。2メートル15センチ以上の高身長選手が2人もいるフランス相手にチームとしてしっかり守ることができ、個人的には3ポイントシュートを決める事が出来たことも良かったです。フロアを広く使ってうまく攻めることができたので、ブラジル戦も同じようにプレーして勝ちたいです。 TEAM STATS(日本:フランス) FG/41%(31/75):43%(34/80) 2P/39%(15/38):44%(19/43) 3P/43%(16/37):41%(15/37) フリースロー/86%(12/14):65%(11/17) リバウンド/41:49 オフェンス・リバウンド/9:15 ディフェンス・リバウンド/32:34 アシスト/14:27 スティール/4:7 ブロック/3:6 ターンオーバー/10:12 ターンオーバーからの得点/18:9 速攻での得点/11:9 セカンドチャンスでの得点/7:17 ペイントエリアでの得点/22:26 ベンチメンバーの得点/9:50 ---------------------------------------------------------------------- ■2024年度バスケットボール男子日本代表チーム 第33回オリンピック競技大会(2024/パリ) 5人制バスケットボール男子日本代表チーム (12名) 【スタッフ】 チームリーダー 東野 智弥 (公益財団法人日本バスケットボール協会) ヘッドコーチ トム・ホーバス(公益財団法人日本バスケットボール協会) アソシエイトヘッドコーチ コーリー・ゲインズ (公益財団法人日本バスケットボール協会) アシスタントコーチ 勝久 ジェフリー(川崎ブレイブサンダース) アシスタントコーチ 佐々 宜央( – ) スポーツパフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (公益財団法人日本バスケットボール協会) スポーツパフォーマンスコーチ 緒方 博紀 (公益財団法人日本バスケットボール協会) アスレチックトレーナー 一柳 武男 (公益財団法人日本バスケットボール協会) アシスタントアスレチックトレーナー 古澤 美香 (公益財団法人日本バスケットボール協会) テクニカルスタッフ 冨山 晋司 (公益財団法人日本バスケットボール協会) アシスタントテクニカルスタッフ 磯野 眞 (長崎ヴェルカ) チームマネージャー 西村 拓也 (公益財団法人日本バスケットボール協会) アシスタントチームマネージャー 大木 瀬音 (公益財団法人日本バスケットボール協会) 【選手】※12名 #2 富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ) #4 ジェイコブス 晶 (SF / 203cm / ハワイ大学) #5 河村 勇輝 (PG / 172cm / 横浜ビー・コルセアーズ) #6 比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス) #7 テーブス 海 (PG / 188cm / アルバルク東京) #8 八村 塁 (PF / 203cm / ロサンゼルス レイカーズ) #12 渡邊 雄太 (SF / 206cm / – ) #18 馬場 雄大 (SF / 195cm / – ) #24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF / 208cm / サンロッカーズ渋谷) #30 富永 啓生 (SG / 188cm / – ) #34 渡邉 飛勇 (C / 207cm / 信州ブレイブウォリアーズ) #91 吉井 裕鷹 (SF / 196cm / 三遠ネオフェニックス) ※平均(Average):193.7cm、26.4歳 ※所属は2024年7月8日現在 ※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター ■大会概要 大会名称: 第33回オリンピック競技大会 (2024/パリ) 予選日程・対戦:※カッコ内はFIBAランキング(2024年2月27日現在) 2024年7月27日(土) TIPOFF 20:30 日本(26位)77-79 ドイツ(3位) 2024年7月30日(火) TIPOFF 24:15 日本(26位)vs フランス(9位) 2024年8月2日(金) TIPOFF 18:00 日本(26位)vs ブラジル(12位) 開催期間:2024年7月26日(金)~8月11日(日)/バスケットボール競技:7月27日(土)~8月11日(日) 会場:ベルシー・アリーナ(パリ)、スタッド・ピエール・モーロワ(リール) 参加国:男女各12か国 ■男子グループフェーズ組み合わせ 【グループA】オーストラリア(5位)、ギリシャ(14位)、カナダ(7位)、スペイン(2位) 【グループB】日本(26位)、フランス(9位)、ドイツ(3位)、ブラジル(12位) 【グループC】セルビア(4位)、南スーダン(33位)、プエルトリコ(16位)、アメリカ(1位) ※国名の下のカッコ内は2024年2月27日現在のFIBAランキング ※男子予選グループフェーズは2024年7月27日~8月5日、準々決勝は8月6日、準決勝は8月8日、決勝戦および3位決定戦は8月10日に開催予定