<BOX速報>米国で世界挑戦の三浦が大差判定負けで王座奪還に失敗
プロボクシングのWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチが15日(日本時間16日)、米国カリフォルニア州イングルウッドのボクシングの“殿堂”「ザ・フォーラム」で行われ、同級1位の三浦隆司(33、帝拳)が、0-3の判定で、王者のミゲル・ベルチェルト(25、メキシコ)に敗れ王座奪還に失敗した。三浦は1ラウンドにダウンを喫し、終盤、ボディ攻撃で反撃したが、足を使われ最後まで強打が空回りした。116-111、119-108、 120-109のポイント差がついた。 三浦の戦績は37戦31勝(24KO)4敗2分。 最悪のスタートになった。三浦は、プレッシャーをかけるが動きが硬くて手が出ない。仕掛けたベルチェルトの左フックが三浦のテンプルをかすった。三浦はタイミングを崩してダウン。ダメージはなく、すぐに立ち上がったが、序盤のペースを渡してしまうことになった。 “ボンバー”と呼ばれる三浦の強力な左ストレートを警戒するベルチェルトは、足を使いながら慎重に距離を保つ。三浦の動きを見ながら右のアッパーを軸に手数で上回ろうとコンビネーションをかぶせてきた。 4ラウンドに三浦は積極的に前へ。右のフックを合わせて左につなげようとするが、王者をつかまえることができず、逆に小さいパンチをコツコツと打たれた。5ラウンドに左ストレートが一発ヒットしたが浅い。 ポイントで圧倒されている三浦には、一発逆転しかない展開になってきた。 左ストレートを狙いすぎて、なかなか射程圏内に捕らえることができなかったが、8ラウンドに、ようやく繰り出した左のボディがヒット。クリンチ際の後頭部への反則パンチをアピールされて休ませてしまったが、三浦はプレッシャーをかけながら前へ。思い切りスイングした左右のボディブローに王者は顔をしかめた。9ラウンドの終盤にも、三浦の左のボディブローが炸裂。王者の動きが止まった。 形勢逆転のムードを漂わせながら試合は終盤へ。足を使い逃げ続ける王者に、一発が当たるか当たらないか。10ラウンドにも三浦の左のボディが王者を苦しめた。11ラウンド。三浦は、王者が嫌がるボディに目線を向けておいて左ストレート。王者は、もう腰を折り曲げてしまっている。あと一発……ベルチェルトをグロッキー寸前に追い詰めながら最終ラウンドを迎えた。三浦はノーガードのまま左を振り回す。しかし、最後の最後までつかまえきれなかった。 判定結果は、ジャッジの一人がフルマーク、もうひとりが119ポイントをつけての0-3の大差判定。あれだけダメージを与えたボディ攻撃がポイントにならなかったのは不可解だが、王者が奪った1ラウンドのダウンと、圧倒的な手数が支持された。ベルチェルトは745発を繰り出して245発をヒット、一方の三浦は、436発中、ヒットしたのは134発と、手数は倍違った。 三浦は、序盤から嫌がるボディを軸に、左ストレートにつなげる布石を打っておくべきだった。毎回、スロースタートから、中盤にボディでようやくチャンスをつかむパターンのボクシングが続いているが、今後は、このワンパターンからの脱却を求められるだろう。超一級品のせっかくのパンチ力も、徹底した戦術、戦略を考えていかなければ、宝の持ち腐れとなる。