<速報>5年ぶり復帰の由規が最速149キロも6回途中10安打6失点で黒星
責任投球回数となる5回は、先発にとって鬼門と呼ばれるイニングである。気負いが出たのか。桂に死球を与え、若松にバントで送られて一死二塁。大島には、甘いスライダーをレフト前へ落とされて、一死一、三塁とピンチが広がった。ここで堂上には、高めの浮いたストレートを弾かれ、センター前へ勝ち越しのタイムリーを許す。球数が70球を越え球威もキレもなくなってきていたが、平田を三振、ビシエドを一塁ファウルフライに打ち取り、なんとか1失点で切り抜けた。 由規は、6回にもマウンドに上がったが、ナニータ、福田、ヘルナンデスに3連打を浴びて無死満塁。代打・森野には、最速の149キロを含む7球連続のストレート勝負を挑んだが、押し出しの四球を与え、降板指令。2-4のスコアのまま、負け投手の責任を負って6回ワンアウトを取れずに94球でマウンドを降りた。神宮を緑のユニホームで埋めたファンは暖かい拍手で由規を迎えた。だが、後を受けた久古は、代打・藤井に2点タイムリーを打たれ2-6とリードを広げられた(由規の失点6)。 由規は、2010年には、当時の日本最速となる161キロをマーク。12勝9敗の数字を残したが、2011年の終盤に右肩を痛め、2013年4月には右肩の手術を行うなど、長い時間をリハビリに時間を費やした。昨年は、開幕に照準を合わせていたが、またペースダウン。背番号は、3桁となり育成選手契約となったが、今季2軍で9試合に登板して、2勝3敗、防御率3.79の成績を残し、ついに1軍での先発チャンスをつかんだ。 ストレートの球威は、まだ物足りないもので、先発を任せるにはスタミナも欠いた。だが、スライダー、チェンジアップを上手にミックスさせたピッチングは、まとまって安定していた。大崩れする危険性を伴う内容ではなかっただけに、肩の回復状態次第では、今後も先発チャンスをもらう可能性は大。白星は次回登板へのお預けとなったが、先発台所の苦しいヤクルトにとっても頼もしいピッチャーが帰ってきた。