父親の「産後うつ」リスクは母親と同程度 男性の育児参加進み、支援の必要性が浮き彫りに
また、男性の場合は誰にも相談せず、抱え込みやすいという特徴があるという。父親として仕事をして家族を支え、育児もしていかなければならない。こうした思いを抱え込んだままメンタル不調に陥ってしまうという。
母親が産後うつになった場合も同様で、「自分が弱音を吐いてはいけない」と頑張り続けた結果、潰れてしまうことは男性側にありがちだという。平野医師は「父親もメンタル不調を起こすリスクがあるため、産後のケアが必要だ」と訴える。
■始まる「父親」への支援
政府が民間企業の男性育休取得率を7年度までに50%とする目標を掲げる中、厚生労働省の5年度雇用均等基本調査では、男性の育休取得率は30・1%となった。初めて30%を超え、4年度の17・13%から増加した。今後も注目される男性の育児参加において、行政や病院では父親を支援する取り組みが行われている。
東京都生活文化スポーツ局が運営するウェブサイト「TEAM家事・育児」は、家事や育児に役立つ情報をイラストや動画などを活用して発信している。その中で、男性の産後うつに関する記事を掲載。昨年に掲載した記事だが、現在でもアクセスランキングでは上位に位置し、広く関心を集め続けているという。
また、今年1月に信州大学医学部付属病院(長野県)で、育児に関する父親のメンタル不調などを専門とした「周産期の父親の外来」が新設されるなど、育児に関する父親への支援は広まりつつある。