有馬記念”2強”クロノジェネシス、エフフォーリアに死角?!両陣営の「少し物足りない」慎重発言をどう判断すればいいのか?
2021年の中央競馬を締めくくる「第66回有馬記念」(G1、芝2500m)が今日26日、千葉の中山競馬場で行われる。前日オッズは、1番人気が天皇賞・秋を制覇した”最強3歳”の代表格エフフォーリア(牡3、鹿戸厩舎)の2.5倍。2番人気は、引退レースとなる“女傑“クロノジェネシス(牝5、斉藤崇厩舎)の3.2倍で、2強レースの様相を見せているが、追い切り後に両陣営が発したコメントは「少し物足りない」というものでファンを混乱させている。両馬に死角があるのか。果たして、その発言の真意は?
クロノジェネシスにグランプリ4連覇の偉業かかる
師走の国民的行事とも言える有馬記念。今年の最もホットな話題と言えば、クロノジェネシスにJRA史上初のグランプリ4連覇の大偉業がかかっていることだ。 成績は通算16戦8勝。馬券圏外となる4着以下に沈んだのは2回だけという安定感があり、斉藤崇史調教師は「どんなときも一生懸命に走ってくれてきた」と愛馬をたたえる。 特に出走馬をファン投票などで選出する宝塚、有馬記念のグランプリレースでは圧倒的な強さを誇ってきた。タフさが売りのバゴ産駒。3歳牝馬クラシック戦線では最後の最後に秋華賞を勝ち、G1馬の仲間入りをしたが、惜敗も目立っていた。 しかし、スタミナが求められる阪神の2200m戦と中山2500mの条件は、よほど合っているようで昨年の宝塚記念は、中団から直線で抜け出して2着に6馬身差の圧勝。有馬記念は1番人気に応え、最後の直線で、3頭の叩き合いを制した。 クリストフ・ルメール騎手とコンビを組んだ今年の宝塚記念でも好位から鮮やかに差し切り、目下グランプリレース3連勝中だ。 過去に宝塚、有馬記念のグランプリを3連覇した馬はスピードシンボリ(1969年有馬記念、1970年宝塚記念、有馬記念)とグラスワンダー(1998年有馬記念、1999年宝塚記念、有馬記念)の2頭しかいない。連覇ではなく、グランプリ3勝と幅を広げても、オルフェーヴルとゴールドシップの2頭だけだ。 偉大な名馬ばかりだが、すべては牡馬の怪物級。それを牝馬のクロノジェネシスが超えようというのだから、その凄さは分かる。ちなみに有馬記念を連覇した馬は4頭おり、シンボリクリスエス(2002年、2003年)を最後に途絶えている。 だが、陣営のトーンは不思議なほど上がらないままだった。 1週前追いでは栗東のCWコースで併せ、5馬身先着したにもかかわらず斉藤崇史調教師は、「栗東に戻って3本追い切りを行ってレースに臨むのは昨年の有馬記念と同じ」と言いつつ「凱旋門賞は馬場が重くて消耗した部分はあった。いいころと比べると少し物足りない。最後のひと追いで良くなるのでは」と慎重な姿勢を崩さなかった。