なぜエリザベス女王杯は3連単339万円強の大荒れ決着となったのか…アカイイトが大波乱を演じ人気馬が共倒れした理由
第46回エリザベス女王杯が14日、阪神競馬場の芝2200メートルコースで行われ、G1初挑戦となる10番人気の伏兵アカイイト(牝4、栗東・中竹和也厩舎)が豪快にまくり、2分12秒1で重賞初勝利を飾った。2、3着にも伏兵が入り、3連単は339万3960円の大波乱。1番人気レイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)は6着、2番人気アカイトリノムスメ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)は7着、3番人気ウインマリリン(牝4、美浦・手塚貴久厩舎)は16着と揃って沈んだ。なぜ大荒れのレースとなったのか。
4角からの“大まくり”でG1初挑戦でV
何か見えない力が働いたようだった。勝利をたぐり寄せたのは10番人気のアカイイト。4角まくりの驚異的な末脚の爆発で2着馬ステララリアに2馬身差をつけてG1を初挑戦で初制覇した。場内は、ざわつきとどよめきに包まれた。2番人気に支持されたアカイトリノムスメではなく、アカイイトだったため、ネット上では、「勝ったのは赤は赤でもアカイイト」という書き込みが目立った。1993年のエリザベス女王杯で起きた大波乱。「ベガはベガでもホクトベガ!」の実況名フレーズをもじったものだ。 初コンビで大金星を挙げた幸英明騎手はベテランらしく会心の騎乗を冷静に振り返った。 「追い切りに乗ったときに、ムキにあるような面があったので折り合いに気をつけました。スタートはうまく出せなかったのですが、そんな面もあることは分かっていました。向正面ではイメージ通りの位置に。内回りコースなので早め早めになりましたが、最後は伸びてくれると信じていました。思ったより早く前をつかまえる形になりましたが、あとは必死で追いました」 実績面では明らかに格下。2走前に3勝クラスの垂水ステークスを勝ったとはいえ、これはアタマ差の勝利だった。前走の府中牝馬ステークスは12番人気で7着。10番人気も無理はなかったが、レースの前半は後方に構えて折り合いに専念すると3コーナーから追い上げを開始し、4コーナー手前で一気に加速。直線に入り残り200メートルで1番人気のレイパパレをかわして先頭に立つと内に切れ込みながらも堂々とゴールした。 なぜアカイイトは“金星”をつかんだのか。