2024年。暑かった。2025年は涼しくなるよ(観測史上3番目の暑さだけど)
1.5度を超える意味
イギリス気象庁と欧州連合(EU)の気象機関コペルニクス気候サービス(C3S)は、今年の世界平均気温が初めて1.5度上昇の壁を破ると予測していますが、決してそれが「パリ協定の目標終わった」「もう無理」というわけじゃないことは、しっかりと認識しておく必要があります。 気温予測を率いたイギリス気象庁のNick Dunstone氏は、年世界平均気温が初めて1.5度を超えるのは大きな節目であるとしつつも、オーバーリアクションに注意を促します。 「1.5度の一時的な超過は、パリ協定の不履行を意味しないと認識することが重要です。」 コペルニクス気候サービスのSamantha Burgess氏も同じ見解を示しています。 「(1.5度超えは)パリ協定が終わったという意味ではありませんが、これまで以上の野心的な気候変動対策が急務であることは確かです。」 さらに、世界気象機関(WMO)のCeleste Saulo氏も、次のように声をそろえます。 「月間および年間平均気温が一時的に1.5度を上回ったとしても、それが『世界平均気温の上昇を産業革命前から2度を十分に下回る水準に抑える』『気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する』という、パリ協定が掲げる目標の達成に失敗したわけではないと強調する必要があります。」 1.5度を超えてもあきらめず、1.5度を切っても安心せず、次の0.1度、次の0.01度の気温上昇を防ぐための対策を実施していくことが、今後ますます重要になります。 Source: Met Office Reference: EU Copernicus, WMO
Kenji P. Miyajima