ゴロフキンが限界説を吹き飛ばし4度のダウン奪うTKO勝利でミドル級歴代最多防衛に成功…「私は帰ってきた」
ボクシングのIBF世界ミドル級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(38、カザフスタン)が18日(日本時間19日)、米フロリダ州ハリウッドのハードロック・ホテル&カジノで同級3位のカミル・シェルメタ(31、ポーランド)と指名試合を行い、計4度のダウンを奪う試合内容で7回終了TKOで勝利した。バーナード・ホプキンス(米国)の記録を上回りミドル級歴代最多となる通算21回目のタイトル防衛に成功した。ゴロフキンはIBF王者に返り咲いた昨年10月のセルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)戦ではKO決着ができず力の衰えを指摘されていたが、健在ぶりを見事にアピールした。ゴロフキンの全成績は41勝(36KO)1敗1分け。現地時間の明日19日にWBA世界スーパーミドル級の統一戦、並びにWBC世界スーパーミドル級王座決定戦を戦うサウル“カネロ”アルバレス(30、メキシコ)との3度目の対決へ気運が盛り上がってきたが、WBA世界ミドル級王者の村田諒太(34、帝拳)もゴロフキンをターゲットの一人にしている。
「誰とでも戦う」
8ラウンド開始のゴングが鳴っても屈強な挑戦者は椅子から立ち上がることができなかった。ここまで4度のダウン。7ラウンドには、左のジャブをダブルで浴びて尻餅をついていた。中継の解説者に「スーパータフ」と評された21戦無敗のシェルメタも、さすがにギブアップ。陣営が棄権の意思を示したことをレフェリーが確認すると、ゴロフキンは無観客試合だったが、客席に向かって拳を突き出した。 「私は帰ってきた。帰ってくると話していた通りだ。少し時間が必要だったが、落ち着いて余裕を見せることができた。頭を使った戦いができたと思う。満足だ。私は(新型コロナの影響で)一生懸命努力ができるたくさんの時間を持っていた。サポートしてくれた私のチームを誇りに思っている」 中継したDAZNのインタビュアーにゴロフキンは笑顔で語った。 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で2月に予定されていた防衛戦が6月に延期となり12月になった。その間、38歳になったが、コメントの通り、その時間をプラスに変えて逆にパワーアップしたかのようだった。初防衛の成功と、同時に史上初めて4団体統一王者となった“死刑執行人”ホプキンスの持っていたミドル級の通算防衛記録「20」をひとつ塗り替えた。