ゴロフキンが限界説を吹き飛ばし4度のダウン奪うTKO勝利でミドル級歴代最多防衛に成功…「私は帰ってきた」
限界説を吹き飛ばした。 1ラウンド。残り10秒の合図がなると、右のアッパーを放ち、相手の左のパンチをダッキングでくぐって外すと左フックを炸裂させた。シェルメタはダウン。 2ラウンドには右のストレートをガツンとヒットさせ、ダメージを受けたシェルメタは、必死で前に出てきたが、ゴロフキンがそれをかわすと足がもつれてそのまま前のめりに倒れた。 ゴロフキンは多彩な左で試合を支配した。時折、アクセントに使う右のアッパーが効果的で、左右のボディを利かせながら、挑戦者を四方八方から痛めつけていく。パンチを打った後の体のさばきやパンチへの反応、ポジショニングも俊敏で、精密マシンと呼ばれた動きは健在だった。 4ラウンドには体を密着させた超至近距離から強引な左フックを決めて3度目のダウンを奪う。それでも立ち上がってきた挑戦者に対して、5ラウンド、6ラウンドと、さすがに打ち疲れが見えたが、7ラウンドには、勝負を仕掛けて、左のジャブをダブルで放って4度目のダウンを奪うとシェルメタも心を折った。 「偉大な選手だった。彼はレベルが高いファイターだから(4度のダウンに耐えたことにも)大きな驚きはない」 ゴロフキンは、そうプロ初黒星を喫した敗者を称えた。 米国の専門機関のデータによるとゴロフキンは、この試合で554発のパンチを放ったが、シェメルタは327発で、そのうち有効打はゴロフキンの228発に対してシェメルタはたったの59発だった。 ゴロフキンが復活をアピールしたことで注目を浴びるのがカネロとの3度目対決である。 現地時間の明日19日には、過去に2度戦い、ドロー、判定負けの1敗1分けの“ライバル”カネロ・アルバレスがWBA世界スーパーミドル級スーパー王者のカラム・スミス(30、英国)とWBA王座の統一戦及びWBC世界同級王座決定戦を戦う。ここまでカネロ側は「もう勝負はついている」と、3度目対決に消極的だが、ゴロフキンの復活アピールでにわかにラバーマッチ実現の気運が高まってきた。 ゴロフキンは、そのカネロ戦について聞かれ、「誰とでも戦う。オープンだ。ビジネス的にDAZNの人々や友人にとってベストの対戦相手を望む。準備はできている。明日の試合を待つだけだ。明日は素晴らしいイベントとなる事を望んでいる。どっちが勝つ?面白くなる」と答えた。 プロモーターのエディ・ハーン氏も勝利者インタビューの場所に呼ばれた。 「ゲンナジーがボスだ。彼が誰と戦いたいかを決断する権利を得た。カネロ・アルバレスとの過去の素晴らしい2試合を見ている。もし3度目の試合があるのならば、ゲンナジーにとって、それは理にかなっている。カネロは明日カラム・スミスとのタフな戦いを行わなければならない。明日の結果を見なければならないが、ゲンナジ―は自分で決断し、キャリアを進めていく権利を持っている」 ハーン氏はゴロフキンの希望に沿い交渉を進める考えを明らかにした。いずれにしろ24時間後にゴングが鳴るカネロの結果次第。 またカネロ側が、3度目の再戦の交渉テーブルに乗らずにぐずぐずしていると「誰とでも戦う」というゴロフキンが、そこに固執せず、日本の村田諒太にチャンスが巡ってくる可能性も捨てきれない。