「健康保険証」が12月2日に廃止も…「マイナ保険証」に移行したほうがメリット大!?その理由を専門家が解説
◆マイナ保険証のメリットを知ろう
マイナ保険証は通院時に役立つだけでなく、急に治療が必要になったとき、その他の場面でもいろいろなメリットがあります。 メリット①「データに基づくよりよい医療が受けられる」 マイナ保険証は、医療機関や薬局で利用する際、顔認証付きカードリーダーで受付をおこなうため、今までよりも正確に本人確認がおこなえます。また受付の際、案内にそって操作していくと、医療情報の提供に同意するかしないかの確認を求められ、これに同意すると、自身が過去に処方されたお薬や特定健診などの情報を医師や薬剤師が確認できるようになります。 これにより、初めて受診する医療機関や薬局でも総合的な診断がおこなわれ、質の高い問診を受けられたり、飲み合わせの良くない薬などを避けた適切な処方を受けられるなど、より良い医療を受けられます。さらに、電子処方箋に対応している医療機関でマイナ保険証を利用すると、さらに適切な医療が受けられます。 電子処方箋とは処方箋を紙ではなく、電子(デジタルデータ)で運用する仕組みで、マイナ保険証で見ることができる全国の医療機関や薬局における過去の薬剤情報に加えて、直近の処方・調剤結果を参照できるようになるので、医師や薬剤師は、より適切な診察、処方、調剤ができます。なお、電子処方箋に対応している医療機関で受付する際、処方箋の種類を紙かデジタルデータいずれかを選ぶことができます。 マイナ保険証だけでは処方・調剤結果におけるデータの反映まで最大1ヵ月ほどかかりますが、電子処方箋にも対応した医療機関・薬局間であればリアルタイムで共有されます。 さらに、電子処方箋に対応している医療機関・薬局では、患者が処方・調剤しようとしている薬と同じ効き目の薬や、飲み合わせの良くない薬が他から処方・調剤されていないかどうかを医療機関・薬局のシステム上でチェックできるようになります。 電子処方箋の導入はすでに始まっており、2025年3月末までに全国に導入される予定です。 メリット②「手続きなしで高額医療の限度額を超える支払いを免除」 高額療養費制度とは、医療費の家計負担が重くならないように、医療機関や薬局の窓口で支払う金額が1ヵ月の上限額を超えた場合、その超えた額を支給するものです。上限額は年齢や所得に応じて定められています。 ただし、この制度を利用するためには事前に手続きが必要で、手続きをしないと、一旦は高額な医療費を自身で支払う必要がありますが、マイナ保険証を利用すると、手続きをしなくても限度額を超える支払いが免除されます。 このほかにも、来年度から救急車の救急隊員は、マイナンバーカードを使って患者の情報を確認できるようになります。これにより、患者さんがどこの医療機関を利用しているかが分かるため、搬送先を選ぶのに役立つようになります。 さらには“来年度中”をめどに電子カルテ情報の共有化も進められており、診療に必要なカルテの情報などを医療機関のあいだで共有できるようになる予定です。カルテの情報が共有されるようになれば、今よりも詳細な情報を共有できるようになり、さらに質の高い医療が期待できます。 自分の健康に関する情報はプライベートなものです。過去の医療情報を提供するかどうかは、マイナ保険証での受付時に選択できるため、必要に応じて利用しましょう。 最後に小菅さんは「これまでの健康保険証が使えなくなる前に、医療機関や薬局を受診する際に、マイナ保険証を利用してみてください。マイナンバーカードの保険証利用登録がまだの方も、医療機関や薬局の窓口にあるカードリーダーですぐに利用登録できます」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「マイナ保険証」について復習し、2人が特に注目したことをピックアップ。まず、村上は“マイナ保険証のメリットを知ろう!!”と注目ポイントに挙げ、「メリットがこんなにあったんだとあらためて学びましたし、まずはそこをしっかり知っておかないといけないなと思いました」と語ります。続いて、杉浦は「大きなメリットなので伝えたいです」と言い、“面倒な手続きをしなくてもマイナ保険証がやってくれるよ!”とポイントを紹介しました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」7月28日(日)放送より)