高藤の金メダル1号が日本柔道史上最多のメダルラッシュを生む?!海外メディアは「ゴジラ・ジャパン」と形容
リオ五輪までは、肩車などの派手な技で勝つ柔道を追求していたが銅メダルに終わり、柔道のスタイルを「泥臭く勝つ柔道」に方向転換した。畳に上がった際、一度、受け身を取るルーティンがあったが、それをリオ五輪で「遅延行為」だと注意され「ルーティン」に頼ることもやめた。対戦相手を研究し、審判の傾向まで頭に入れ、「反則勝ち」も、ひとつの戦略として勝負にこだわった。令和の時代の柔道に特化したと言っていい。 だが、代表選考では、東海大の3学年下の氷山竜樹が台頭。2017年以降、3勝3敗と五分の対戦成績だった。五輪、世界選手権などの国際経験と最後の直接対決の2019年11月のグランドスラムで高藤が技ありで勝ったことが評価され代表選出されたが、選考委員会では、ただ一人満票ではなかった。そういう声と、落選した氷山に応えるためにも金メダルという結果が必要だった。 高藤は、ちょうど1年前のツイッターにノートに書いた手書きの決意表明を投稿。そこには「『2002年には見られなかった高藤』を必ずみなさんに披露します」と書いた。その約束は守られた。武道館で最後まであきらめず愚直に勝利を狙う高藤の姿を披露した。 海外メディアも開催国第1号金メダルを称え、そして、この階級で2004年のアテネ五輪の野村忠宏氏以来の金メダルとなったことで日本柔道のメダルラッシュが生まれる可能性を示唆した。 ニューヨークタイムズ紙は「高藤、卓越した柔道で日本に五輪初の金メダルをもたらす」とのタイトルで、その勝利を評価した。 「五輪で主催国は、しばしば優れたパフォーマンスを披露するものだが、日本も東京2020大会で最初の金メダルを手にするのに時間を要さなかった。それには、日本が卓越しているスポーツである柔道がふさわしかった。大会初日に高藤が、失望の銅メダルに終わった2016年のリオ大会を埋め合わせる金メダルを勝ち取った。3度の世界選手権覇者(の高藤)は、このスポーツの聖地である日本武道館で台湾の楊勇緯に勝った」と、高藤のリベンジストーリーに触れた。