それぞれの夢を胸に歴史的快挙に挑む2人のヤング女子ボクサー並木月海と入江聖奈…W金メダルもある!
ついに東京五輪の競技が本悪的にスタートした。歴史的快挙に挑むのが、ボクシングで日本の女子として初出場を果たしたフライ級の並木月海(22、自衛隊体育学校)とフェザー級の入江聖奈(20、日体大)の2人のボクサーだ。しかも2人共に金メダル獲得の可能性がある。「多様性と調和」をテーマにした大会で彼女らは歴史の扉をこじあけることができるのか。男女のボクシング競技は両国国技館でトーナメント方式で行われ、入江は24日のナイトセッション、並木は25日に1回戦に登場する。
幼馴染の那須川天心からの激励
キックボクシング界の“神童”那須川天心がツイートした。 「いつも通りで」 並木もリツイートで返す。 「ありがとう。いつも通りやってきます」 天心は並木が子供の頃から一緒に極真空手をやってきた幼馴染だ。試合をしたこともあり、高校時代には天心のジムを訪れスパーリングをした経験も。並木の初出場となる五輪舞台の目標は金メダルだけではない。 「女子ボクシングは知名度がないので、金メダルを取って、五輪の舞台でボクシングもすごい、女子もボクシングがあるんだなと知ってもらうきっかけにしたいんです。柔道やレスリングくらい女子ボクシングも有名になったら」 伝道者となる使命感を抱いたのは天心の存在。 「天心が格闘技を盛り上げてくれている。ボクシングを少しでも知ってもらいたいと思うようになったのは天心が頑張っているから」 日本ボクシング連盟の内田貞信会長は、開幕直前に男女の代表6人について「(12年ロンドン五輪の)村田(諒太)選手の金と清水(聡)選手の銅が(メダル数の)過去最高だが、今回は3つ以上のメダルが取れる布陣」と口にした。3つ以上の計算に入っているのが並木の金メダルなのだ。 花咲徳栄高時代にバルカン国際大会で優勝し、2018年の女子世界選手権では銅メダルを獲得した。5月に東京五輪の前哨戦をかねて出場したコンスタンチン・コロトコフ記念国際トーナメントでも優勝を飾っている。 身長は153センチと小さいが、サウスポースタイルから3ラウンドを絶妙のステップワークで動き続け、手を出し続けるファイアーだ。そのラッシュ力と脅威のスタミナにたいていの相手が根負けする。 「今では身長が低いのが持ち味だと思っています。ステップワークを生かして、相手のパンチをもらわずに自分のパンチを当てるということを徹底したい。どうしたらいいかを研究した結果、相手のパンチをわざと引き出して、当たらない距離を作り、自分の当てるというスタイルにいきついたんです」 つまり自らアクションを起こして「打たせずに打つ」。「後手ではなく先手」のボクシング。弱点を長所に変えてきた。 連盟の本博国強化委員長も「小柄だが気持ちの強い選手。長身の選手と当たっても中にもぐりkんで早いテンポの攻撃で(金メダルの)チャンスはある」と期待を寄せる。