体操・内村と競泳・瀬戸のW金候補予選落ち“番狂わせ“に海外も衝撃…「キング・コウヘイはおとぎ話のような結末を迎えられなかった」
東京五輪の本格競技スタートとなった24日にまさかの“番狂わせ“が続いた。予選が行われた体操では、種目別の鉄棒に専念していたロンドン、リオ五輪の個人総合2連覇で4大会連続出場となる内村航平(32、ジョイカル)が、中盤のひねり技で、まさかの落下で13.866点に終わり上位8人の種目別決勝に進むことができなかった。また競泳では、リオ五輪の銅メダリストで2019年の世界選手権Vの瀬戸大也(27、TEAM DAIYA)が400m個人メドレーの予選で9位に終わり予選落ちする大波乱が起きた。ショッキングな”キング“敗退のニュースは海外にも広がった。
体操界のレジェンドが最後の五輪で落下
体操界のスターが東京五輪“開幕”初日にいなくなった。 種目別の鉄棒に専念して代表権を得た内村は、演技の冒頭からH難度「ブレットシュナイダー」、G難度「カッシーナ」、E難度「コールマン」と、離れ技を次々と成功させたが、その直後の車輪をしながらのひねり技で右手が外れて落下してしまった。 落下はEスコアからの1点減点。3日前の公式練習でも同じ個所で落下していたが、まさかの終戦に「考えても今のところミスの理由はわかんない」と、呆然としていた。そして代表争いをした米倉英信(24、徳洲会)の名前を出して「土下座して謝りたい」と懺悔。団体戦を予選トップで通過した最強の後輩へ「主役は彼ら。あいつらに任せようと思っている。僕の記録なんてすぐ抜かれるだろうし、抜かして欲しいと思う」とメッセージを送った。 試合後、内村は競技からの引退については否定した。 海外の主要メディアも次々と内村の予選落ちの衝撃を取り上げた。 米ヤフースポーツは「日本体操界のレジェンド、最後の五輪で落下」という見出しで報じた。 「この時ばかりは、誰もいないアリーナの静けさがふさわしい」と書き出し、「日本で最も愛されているアスリートの一人である内村は、複雑な技を連続して繰り出していたが、最も難易度の高い技を終えようとしたとき、手が滑って下のマットに落下した。彼は日本の団体戦には参加していない。10年以上にわたり、内村は男子体操界で圧倒的な存在感を示してきた。2009年から2016年まで彼は世界選手権やオリンピックであらゆる総合タイトルを獲得した」とレポートした。 また内村の進退についても触れ、試合後のインタビューでのやりとりを紹介した。 「内村は『これが最後の競技か』と聞かれ、『いや、でも、わからないですね。宿舎に戻ってから考える』と言っていた。しかし、彼の身振り手振りは、若い人たちが活躍するスポーツの現実での答えを示していた」 事実上の引退となる可能性が高いことを示唆した。