立川談志の名言「酒が人をダメにするんじゃない…」→酒をネットに置き換えても説得力がエグかった!
そもそもですが、Aさんがネット上の界隈に足を踏み込んだのは、推し活のためにほかなりませんでした。学校や家庭に居場所がなく、ネット上を彷徨っているうちに居心地のよい界隈を見つけたわけではありません。私が見る限り、Aさんの学校生活は充実しており、居場所やリア友に関する深刻な悩みもないため、ネッ友に依存する必要性がないのです。 ● グループの秘密の会話を漏らす 裏切り行為が露見した 信頼できる家族・友人がいないからネッ友に依存し、さらなる関係性を求めリア友に発展させようとする……と単純に割り切ってはなりませんが、その傾向はたしかに感じます。 不登校児(および予備軍)や、その親御さんと話をしていると、明らかにSNS・ゲーム・ネッ友の話題や悩みが多いのです。なかには、お子さんがトラブルを起こしてしまい、対処に苦慮している事例もありました。 中学2年生のBさんは、とある無料ゲームのヘビーユーザーです。彼女が起こしたトラブルは、大人たちにとっても身に覚えのある女子グループでよくある騒動と似ています。 たとえば、ある女子生徒Cさんが、学校内で複数のグループに所属しているとします。クラス内の4人グループ、クラス内外の6人グループ、部活内のグループといった具合に、3つのコミュニティに所属しているという状況です。それぞれのグループのメンバーには重複が見られるものの、基本的には別グループです。
ある日、Cさんは4人グループから無視されるようになってしまいました。理由を探ってみると、4人グループのなかで交わしていた会話の内容を、部活グループに漏らしてしまったことが原因でした。 彼女にとっては他愛もない話でしたが、他の3人は暗黙の裡に秘密の会話であるという共通認識を持っていたため、裏切り者のレッテルを貼られてしまったのです。 部活グループでなされた話が、6人グループにも所属している別の生徒によって同グループに広がり、そして6人グループには4人グループに所属している生徒もいたため、巡り巡って裏切り行為が露見したのです。 厄介なことに、他の3人がいない部活グループで秘密が漏れていた点もまた、密かに3人を裏切っていたという悪い印象を強めてしまいました。 Bさんが起こしたトラブルは、ネットの内か外かを別とすれば、この騒動と全く同じです。同じゲームをしていたネッ友たちが、ゲーム・SNS上で複数のグループを作りコミュニケーションを楽しんでいたものの、些細な認識の違いによりBさんは裏切り者扱いされてしまったわけです。 ● 「裏切り者」認定で極悪人に 個人情報を伏せたのが不幸中の幸い 先述したように、ネット上では捨象と抽象のプロセスが強く働きます。だから、ネッ友は信頼できる側面ばかりで構成された集合体となります。