立川談志の名言「酒が人をダメにするんじゃない…」→酒をネットに置き換えても説得力がエグかった!
こうした人間の姿を見ていると、立川談志師匠が残した言葉を思い出します。談志師匠は「酒が人をダメにするんじゃない。人間がもともとダメだということを教えてくれるものだ」と話しましたが、この「酒」を「ネット」に置き換えても、そっくりそのまま通用しそうです。 元来、人間は情報を客観的に処理することができないというダメな部分がありました。しかし、そんな欠陥をネットが明瞭にし、しかも増幅してしまったのが現代だと言えます。私たちは、そのダメな部分をまだ十分に自覚できておらず、以前であれば考えられなかったトラブルが生じ戸惑っているのです。 ● 「ネッ友には依存しない」慎重さ ある中1女子のSNS活用法 総体のうちの一部分だけが見えるから容易に仲よくなれるという図式は、SNSにおいて特に成り立ちます。 ここでは、今を生きる中高生たちが、どのようにSNSを楽しみ、そしてネッ友・リア友を作っているのかを具体的に見ていきたいと思います。なお、登場する生徒たちの例は、特定されないよう個人情報を加工しています。 中学1年生の女子Aさんは、いわゆるK-POPアイドルの「推し活」をしています。小学生の頃から彼女が使っているインスタは、インスタ映えする自撮りをアップロードし同級生たちと交流する場所ではなく、完全に推し活をするためのツールと化しています。
推し活とは、特定のアイドルや歌い手などを応援する活動のことで、その内容は多岐にわたります。周囲に魅力を広める(推す)、熱心に情報を集める、グッズを収集するといった分かりやすいものから、もはや推しが神やカリスマ的存在の域まで達するディープなケースもあります。 さて、推し活をしているAさんもご多分に漏れず、インスタ上のK-POP界隈にネッ友がいます。「界隈」とは、特定の業界のようなもので、価値観や趣味を共有するコミュニティやネットワークを指します。同好の士が集うコミュニティ故に貴重な情報が盛んに行き交うため、推し活にはもってこいの場所です。 Aさんの場合、あくまでもネッ友の段階で止まっており、リア友にまでは発展していません。DM(1対1でやりとりをするダイレクトメール)でネッ友と楽しくやりとりをしているようですが、あくまでもネッ友はネッ友に過ぎないと割り切っています。 学校や家庭における教育のたまものなのか、生来の慎重さ故のことなのかは定かではありませんが、彼女はネットのリスクについて理解をしており、ネット上でリア友を作る気は全くないと断言します。