阪神ドラフト2位指名の履正社・井上広大が抱く「巨人岡本型の4番構想」
阪神がドラフト2位で夏の甲子園優勝チーム履正社の4番、井上広大外野手を指名した。大阪市内の同校で会見を開いた井上は、巨人の4番に座る岡本和真(23)を目標の選手に掲げ「最終的には阪神の4番を打ちたい」と宣言した。大山悠輔(24)の4番育成計画がうまく進んでいない阪神にとって待望の4番候補だ。 2位指名は想定外だった。 「もっと遅いと思っていたのですが、思っていたより早かったので嬉しかったです」 ヤクルトの山田哲人、阪神の坂本誠志郎らプロの世界へ6人を送り込んできた岡田監督も「3、4位でかかってくれればと思っていたので驚いています」と話した。 高校通算49本塁打。187センチ、94キロの体格はすでにプロサイズだ。 最後の夏を前に岡田監督にプロ入り希望を伝え「プロへ行きたいなら甲子園に出てそこでホームランを打ってアピールせよ」との指令を受けて挑んだ激戦区の大阪大会で4本塁打を放ちチームを甲子園へ導いた。 夏の甲子園でも4番打者として1回戦で広島が3位指名した霞ケ浦の剛腕、鈴木寛人から一発。決勝戦では、ヤクルトに1位指名された星稜の奥川恭伸からバックスクリーンに3ランを放り込んで全国の頂点に立った。だから、阪神の本拠地・甲子園に関しては「これまで試合した中で一番いい球場。甲子園ではホームランを打ったしいいイメージを持っています」という。 大阪大東市出身だが、阪神ファンだったわけではない。 「特定の好きな球団はなかったんです」 小さい頃に甲子園に阪神戦を見に行ったこともなかった。 それでもテレビをつけると映っていた阪神戦では、「いつもヒットを打っていた」というマートンの姿が強烈に印象に残っている。 今季の阪神については、「矢野監督も情熱的。気持ちを前面に出すチーム」というイメージがあるという。 憧れのプロ野球選手は、履正社の大先輩であるヤクルトの看板、山田哲人。だが、トリプルスリーを達成した山田とはタイプが違うため、具体的な目標選手としては、巨人の若き4番、岡本和真の名を挙げた。 「ひとふりで試合の雰囲気を変えるスイング。それを目指したい」 岡本は、高卒4年目で3割、30本、100打点をマーク。今季もリーグ優勝した巨人の4番として、打率は.265とふるわなかったが、31本塁打、94打点の数字を残し、阪神とのクライマックスシリーズでは大暴れした。タイプの似た岡本が4年目で成し遂げたサクセスストーリーは、井上のリアルな目標として、うってつけなのだ。