大日本印刷Web担当者の「社内評価を大幅アップ」させた“サイトリニューアル成功”の全貌!
さらに、以前のサイトでは製品・サービスの詳細情報のページがあるだけだったが、導入事例、コラム・記事といったBtoBユーザー向けの情報を展開し、役割や機能を拡張した。コンテンツ運用は、主に事業部門が行うこととした。 ■ 解析タグを1つに統一し、改善点を洗い出せる体制に 各サイトの目的が明確になり目標ができたので、あとは達成するべく動くだけという状態になった。解析タグはもちろん1つに統一し、田口氏がWeb解析士として、しっかり分析して、改善点を洗い出す体制とした。
リニューアルの結果、アクセス数は以下のように伸びている。
リニューアル後、Webユーザビリティ診断を受けるも139位→3年後に1位獲得!
リニューアル後のサイトは社内外からの評判もよく、得意先からの見積り依頼も増えた。そこで、自信をもってトライベック・ブランド戦略研究所にWebユーザビリティ診断をしてもらったという。ところが、結果は139位。当時の最新のWebサイトになっているはずなのに、何がダメだったのか。調査結果の指摘を精査した。
ユーザビリティは、以下の5つの軸で調査されている。 ・A.アクセス性 ・B.サイト全体の明快性 ・C.ナビゲーションの使いやすさ ・D.コンテンツの適切性 ・E.ヘルプ・安全性 全体的に指摘事項が多いが、なかでもサイト全体の明快性、ナビゲーションの使いやすさ、ヘルプ・安全性の3軸では平均を下回っている。 これを改善するには、Web戦略室で「できること」と「できないこと」がある。たとえば、表示速度やSNSへの配慮、ナビゲーションの一貫性などはWeb戦略室で改善できる。一方で、以下のような点は、コーポレート部門や事業部門に協力してもらわなければ改善できない。 ・主体的な疑問解決手段の提供 ・全体プロセスの明示 ・ブランドイメージの一貫性 ・商品・CP情報の興味喚起 ・ディスクリプション ・製品ページでの問合わせ意向の醸成 そこで他部門に協力してもらうにはどうすればいいかと考えた結果、Web関係者のネットワークづくりをしようと一念発起。以下の3つの施策に絞り込んだ。 1. Web関係者同士の双方向コミュニケーションの場づくり 2. 誰もが簡単に定量評価できる指標と仕組み、ナレッジを強化 3. ほめあう文化づくり これらの取り組みによって、3年後にはWebユーザビリティランキング1位を獲得できた。具体的な内容を簡単に紹介しよう。 ■ 1. Web関係者同士の双方向コミュニケーションの場づくり Microsoft Teamsを使用して、約500人のWeb担当者を集めて資料をすべて共有。その場で質問も受け付けるなど、オープンな場ですべてのコミュニケーションが取れるようにした。 さらに、オンラインのWeb担当者会議を2カ月に1回実施。表現方法などルールの話をする守りのパートと、マーケティング活用のベストプラクティス共有のような攻めのパートの2部構成とした。 ■ 2. 誰もが簡単に定量評価できる指標と仕組み、ナレッジを強化